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生まれたときから灯台で暮らし、外に出たことがないという少年の話。 十四歳になった日の朝、少年のもとに金、銀、銅の3本の鍵が届けられる。 それぞれの扉の向こうには何が待っているのか。 とても謎めいていて、それでいてひとつひとつのシーンが印象的な作品。 下の見えない灯台。3本の鍵。 白衣姿の青年。黄泉の川と同じ成分で作られた薬。 海と灯台と血のように赤いスカーフ。贖罪を続ける少女。 それぞれのモチーフの配置はミステリアスでありながら、示唆的であるようにも感じる。 それらを丁寧に読み解いていくのが楽しい。 個人的な解釈を述べるのであれば、灯台は主人公の少年の「人生」あるいは「命」の象徴であるように感じる。 そして鍵を渡されたということは、真実を知る権利を与えられたことを意味するのではないだろうか。 物語の世界観についても注目したい。 作中では、黄泉の川と同じ成分で作られたという薬が登場するが、いったいそのようなものをどこから手に入れたのかと不思議に思った。 だが物語を読み進めていくと、どうやらこの灯台は常世なのではないかという気がしてくる。 少女がセーラー服に身を包んでいる理由にも想像が膨らむ。 個人的には、出産の年齢に関係しているのではないかと考察している。 主人公の少年が「子をなせる」ようになったタイミングで鍵が与えられたのも、無関係ではないのかもしれない。 興味深いのは、物語の最初と最後に同じシーンが描かれている点。 最初は仄暗い不安を感じるのに、最後は不思議と解放感がある。 それは「どこにも行けなかった」少年が自分で「選択」をしたからなのかもしれない。 いつまでも聞こえてこない鍵の落ちる音を静かに待ち続ける。 そんな余韻を感じさせる読後だった。
【物語は】 ある亜空間を一人の少女が誰かを探して走っている場面から展開されていく。 彼女が誰で何処にいて誰を探しているのか、この時点では明確にはされていない。これは始まりなのか、それとも分岐点なのか? 本編に入ると、桔梗という人物の視点から始まっていく。 この先に待ち受けるものとは? 【世界観について】 これの舞台の環境は実際に訪れるかも知れない未来だなと感じた。 そこに空想の社会が築かれている印象。 あらすじに書かれているので少し触れても大丈夫だと思われるが、舞台は世界戦争後の日本。戦争によって齎されたのは繫栄や豊かさではなく、環境汚染だった。 そこで人々はコロニーと言われるところで暮らしている。 戦争により、多くのものが失われた世界なのだと思う。 あるコロニーを除いては、そのコロニーごとに問題を抱えているようだ。 そしてこの物語は、そんな中で唯一飢えや病に苦しむことのない特別な『コロニーJ』を中心に展開されていくようだ。 【登場人物について】 途中までは、登場人物の名前が明かされないまま進んでいく。 それぞれに個性があり、彼女たちがこの先どんな関係になっていくのか、いろいろと想像も膨らむ展開の仕方である。 その後物語の中では、それぞれの出身やコロニーについて明かされ、何故彼女たちがこの場所に集められたのか分かってくる。 そして、それぞれがどんな能力を持っているのかも明かされ、物語は面白さを増す。だがもしかしたら、この場面で明かされるのは能力の一部かも知れない。 あくまでも個人の印象ではあるが、大切なのは彼女たちが初対面の人々とどんな風に動くかということにあるのだと思う。 【物語の魅力】 登場人物に学生らしさを感じる物語だと思う。 大人になると他人と仲良くなるのに、それなりに時間を要するものだと思う。もちろん性格にもよるだろうが。 それに比べ、学生というのは新しい環境で友人を作ろうとするものだと思う。もちろんそこにも多様性はあるだろうが、社会人よりもずっとハードルは低いと思う。 気が合えばすぐに仲良くなれるだろうし、連帯感に置いても学生の方が築きやすいと思う。社会人に比べ仲間意識を持ちやすい環境にあるのが、学生だと感じる。 そういう意味でも、学生らしさが出ている作品だと思う。 そしてそれぞれの個性、性格だったり能力だったりが際立っているように感じた。 彼女がこれから何をすべきなのか。事件はどんなものなのか。 それらが徐々に明らかになるのも面白い部分だと思う。 全体的に明るい雰囲気で進んでいく物語であり、登場人物たちに一番魅力を感じた。 【物語の見どころ】 途中までは、この世界がどんなところであるのか? それぞれの性格や今までどんなところで暮らしていたのか、彼女たちの具体的な能力についてが明かされる。 そして彼女たちを集めた人が何者なのか、なにを目的としているのかなども分かってくる。 この物語は、実際に学園に乗りこんでからが見どころだと思う。 世界観の設定が細かく、徐々にそれぞれの事情などが詳しく明かされていく。 それでもかなり謎の多い部分があり、伏線と感じるところもある。 その為、好奇心が刺激される物語であるとも思う。 各視点から物語は進んでいくが、どんな終着点に辿り着くのか今の段階では分からない。 彼女たちにはだかる敵の正体とは一体? 果たして失踪事件の真相とは? あなたもお手に取られてみませんか? この事件の真相をぜひその目で確かめてみてくださいね。 【備考】 2.SIDE 夏芽(ナツメ)第1話 ナツメとヒヤシンスまで拝読
面白かったです。カクヨムは公式連載もあって富士見L文庫のしっかりした内乱物も読めたりするのが良いですね。書き慣れてる方だけあって確かな筆力が有り、言い回しがおしゃれです。ラストは主人公の覚悟が伺えて感動しました。 有力な家柄に生まれ王位争いから逃れるように修道院で暮らしていた少女が、時が来てあれよあれよと王女になり…反乱されたり妨害されます。唯一の味方と言える側近の騎士との悪友みたいな関係が素敵なのですが、恋愛要素は皆無。この物語で恋愛要素っぽいのはこの成り上がりの騎士(女好き)に一瞬口説かれるくらいという。書籍版だともう一人のヒーローとちょっとなんかあるようですが…。 しっかりした内乱物を読みたい方におすすめ出来る小説です。
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