シャングリラ紀行
最終更新:2019/12/23
作品紹介
「夜が暗いのは、世界が大きな天蓋に覆われているからよ。月はね、天蓋に空いた小さな穴なの」 人生に疲れた僕は、生きる場所を求めていた。 人生を渇望する君は、死ぬ場所を求めていた。 人生に対する思いも、求めるものも、真逆の僕たちは出会う。 幾重の矛盾を抱えた真逆の僕たちは出会い、同じ場所を目指す。 「天蓋の向こうには、シャングリラが広がっているの。穴から差し込む光は、シャングリラの光よ」 天蓋に空いた小さな穴、そこから差し込む光の場所――シャングリラへ。