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作・ナイン

HENSHIN!――契約×変身×バトロワ!願いのために、最後の一人になるまで闘え……戦え……!

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【作品紹介】

いまだ特撮ヒーローに憧れるヒキコモリ高校生、片見新士(カタミ シンジ)。 薄暗い部屋でひとり呟いた「なりたいよなぁ、ヒーロー」という言葉をきっかけに、 夜ごと叶わぬ願いに悩むプレイヤーたちが集う≪神々の玩具箱≫へと召喚される。 タロットカードをモチーフに創造された怪物、≪アルカナ≫と 22人のプレイヤーが閉鎖された箱庭で契約し、変身! 願いが叶うのは最後の一人だけ。 譲れないもののために今宵も闘え……戦え……!

ファンタジー ヒーロー カクヨムオンリー デスゲーム 熱血 バトロワ

投稿されたレビュー

心が熱くなり勇気づけられる! 読めば人生が変わる!!

ヒーローものや戦隊ものに興味のないはずの私が、寝食も忘れて読みふけった作品。 読めば読むほど夢中になり、文字の奥に広がる世界に、興奮し、感動し、涙した。 これだけは伝えたい。 『この作品は、ぜひ多くの人に読んでもらいたい作品だ』と。 物語は、主人公が不思議な夢を見るところから始まる。 それは不思議な少女と契約して力を得るという内容であり、これから彼が辿ることになる運命を示していた。 主人公の新士(しんじ)は、普通の高校生だ。 彼はヒーローに憧れ、自らもヒーローのようになりたいと願っている。 その願いを口にした瞬間、彼は見知らぬ世界へと召喚された。 そこは『神々の玩具箱』と呼ばれる場所。 召喚されたプレイヤーたちは皆それぞれ『願い』を持つ。 戦って相手を蹴落とし、最後に勝ち残った者の願いだけが叶うという。 わけもわからぬまま戦いに巻き込まれる主人公。 危険を顧みず戦うプレイヤーたち。あたりをうろつく恐ろしい化け物。 その世界で、主人公は『ヒーロー』への憧れを胸に、立ち上がる――。 『最後に勝ち残った者の願いだけが叶う』というルールの裏に、実はもうひとつのルールが隠されている。 それを知ったとき、愕然とする。 不死の病にかかった妹を助けたいと願う者がいる。 死んだ妻を生き返らせたいと望む者もいる。 奥さんに認めて欲しいと思う者もいる。 友達の幸せを願う者もいる。 家族のために一度は諦めた夢を、ここでなら掴めるかもしれないと信じる者もいる。 それでも、願いが叶うのは、たった一人だけ。 主人公は悩む。 自分の夢を叶えるために戦うことは正しいのか。 あるいは、誰の夢を叶え、誰を犠牲にすべきか。 この世界で『願う』ことは、他人を蹴落とすことでもある。 誰かの夢を踏みつけ、脱落させる行為である。 誰かひとりが退場するたびに、彼は心を痛める。 本当にこれでよかったのか。 そこまでして『ヒーロー』になる覚悟はあるのかと、自問自答する。 ときには自身の行動と『理想のヒーロー』との乖離に悩むこともある。 願うことは、自身を、誰かを、すり減らすことに他ならない 悩みながらも、戦うことをやめるわけにはいかない。 あまりにも熱い展開が繰り広げられる。 ひとつひとつの戦いに意義があるのだと気付かされる。 ときには心が痛む戦いもある。 ときには自分の目指すものに気付く戦いもある。 そして、いつしか『神々の玩具箱』での出来事は現実世界にも影響を及ぼしてゆく。 キャラクターがたくさん登場するが、どのキャラもそれぞれ魅力的だ。 まずは、主人公。 現実世界ではいじめられっ子だが、読み進めていくと彼がただの『弱虫』などではないということがわかる。 彼は彼なりに戦った結果、引きこもりにならざるを得なかった。 しかし、このゲームを通じて考え、悩み、少しずつ成長してゆく。 少々ストイックなところもあるが、応援したくなる主人公だ。 ヒロインの「かなえ」の存在も尊い。 彼女は、いついかなるときでも主人公のことを「かっこいい」と言う。何度でも「助けてくれて、ありがとう」と言う。 必ず味方でいてくれるし、助けようとしてくれる。『神々の玩具箱』において、それがどれほど心強いことか。 そのぶれない精神が、彼女の真の強さだ。 彼女がいてくれるからこそ、主人公は戦うことができる。 「アマちゃん」も印象深いキャラだ。 彼女は、主人公を何度も叱咤激励し、奮い立たせる。 二人の絆の深さには、涙せずにいられない。 そして、ルシフェル。 彼は主人公をゲームへと誘う天使だ。 最初は「嫌な奴だ」という印象だが、少しずつ主人公との関係性が変化してゆく。そして物語も終盤になると、なぜかちょっと格好良く見えてくるから不思議だ。 主人公も、敵も味方も、おじさんもお姉さんも、そしてわちゃわちゃしている天使たちも、みんなそれぞれキャラが立っていて個性的だ。 どのキャラも特徴的で、それぞれの『役割』をしっかり演じているということが伝わってくる。それでいて意図的なものを感じないのは、作者が本当に好きなものを書いているからだろう。 面白いのは、タロットカードがモチーフになっているという点である。 この作品には多くのキャラが登場するが、それぞれタロットカードにちなんだ能力が割り振られている。 タロットというと神秘的なイメージがあるが、それをバトルものと組み合わせているところがユニークだ。 そして、「ここでこのカードを出してくるのか!」などと盛り上がる場面もある。 (もちろん、タロットを知らない人でも楽しめる。) 作品を読んでいて何度も感じたのは、「この作者さん、エンターテイメント小説を書くのがものすごくうまい!」ということだ。 文体は個性的でリズムが独特だが、それでいて読みやすく、夢中になれる文章だと感じる。 また、構成が緻密で、伏線もしっかりしている。それでいながら大胆な展開がある。 読者が見たいものを惜しみなく見せてくれて、さらにその先まで見せてくれる。 隅々まで計算されつくした展開。 隅から隅まで面白い。むしろ、つまらない瞬間などない。 読み終えて、気付いたことがある。 「変身」という言葉は、ただの掛け声ではないということ。 そこには「戦うという選択」「これから他人と争うという意思表示」「負けないぞという強い意志」「自身を奮い立たせる気持ち」などが込められている。 登場人物たちが発する「変身」という言葉に、それぞれどのような思いが込められているのか――それを想像するだけで胸が熱くなる。 王道。あまりにも王道のど真ん中だ。 だからこその確かな面白さ。 読めば、心が強くなる。 胸の中に意志が生まれる。 困難に立ち向かう勇気をもらえる。 自分が望むように生きようと思うようになる。 読めば、あなたの人生が変わる。 最後にもう一度だけ言おう。 この作品は、ぜひ多くの人に。 一人でも多くの人に、読んで欲しい。 そう思えるほどに素晴らしいエンターテイメント作品だ。

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