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作:りん

スペルドキャッスルの雪宴《ゆきうたげ》

星3つ

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未評価

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最終更新:2023/8/11

作品紹介

高校2年生の百合香は、勉強漬けの毎日に嫌気がさしていた。 ところがある日、不登校の弟の京志郎がバイト先の図書館で作ったジオラマの中に飛び込んでしまう。その魔法が溢れるジオラマの国へ百合香を誘ったのは、英語教本『ナイチンゲールと紅の薔薇』の挿絵の鳥のナイチンゲールだった。  百合香は、その国で魔法は苦手だが、剣の腕はやたらにたつ、魔法使いの青年シーディと出会う。 雪景色のジオラマの国での白魔女とのバトルや、謎の図書館長に翻弄されたり、たよりのない現実生活も背景にして繰り広げられる、ちょっと理不尽なファンタジー。 表紙絵イラスト https://cdn-static.kakuyomu.jp/image/spKw8HiP 灰色猫(グレイ・マウザー) https://cdn-static.kakuyomu.jp/image/SGqZBxO7 登場人物のイラスト https://cdn-static.kakuyomu.jp/image/Vy8L64ec 画:風梨りん

ラブコメファンタジー魔法高校生魔法使い中世の城

評価・レビュー

“物語”が紡ぐ、ジオラマの中の不思議な世界へようこそ

本の中に綴られる文字は時を重ねて人々に読みつがれてゆくうちに不思議な力を持つようになる。 作中で語られるこの言葉は、この物語の設定と相まって読者を惹きつける説得力を持っている。 主人公の弟、京志郎が作ったジオラマの世界を、自信のない魔法使いシーディと、百合香は冒険する。その中で出てくる魔法や、ナイチンゲールの物語などといった現実世界とのつながりなど、謎がたくさん散りばめられた本作は、物語が進むごとに耽美で箱庭的な世界観と相まって、どんどん深化していく。 中でも特筆すべきはキャラの魅力だろう。主人公の百合香は、恋多き乙女で、ジオラマの雪だるまや弟の京志郎にすら心臓を高鳴らせてしまうほどの女の子である。 物語の全体的に、少女漫画や童話的な成分を含む一方、実家に隣接した図書館に作られた精緻なジオラマ部屋や流星刀などの男心をくすぐる要素が入っているのも本当ににくいなと思う。 総評して、仕掛け絵本にしたら面白い物語だろうなと思いました。 現実世界から干渉できる世界、っていうのも設定としてはめちゃくちゃ面白いです。そして、ジオラマの登場人物が、現実から干渉できない世界を作ろうとして、ジオラマ世界を拡張しようとしたことも。 製作者の手から離れて、作られた物語の世界が拡張していく。これは、作者にとっては嬉しいことのように思います。

5.0

鷹仁(たかひとし)@カクヨム