ユーザー登録・ログイン

新規登録

ログイン

作品

レビュー

登録/ログイン

その他

オノログについてFAQ利用規約プライバシーポリシー問い合わせユーザー管理者Twitter
レビューを投稿
書籍化
コミカライズ原作
ジャンル別
サイト別
サイト関連
運営している人

@オノログ

作:井川林檎

かりそめ館 海鳴りの館

星4つ

0%(0)

星3つ

0%(0)

星2つ

0%(0)

星1つ

0%(0)

未評価

0%(0)

最終更新:2019/2/8

作品紹介

親代わりでもある琵琶法師と生き別れた「ゆき」。 波の音が聞こえる不思議な館で時を過ごすが、そこは、この世とあの世の狭間にあった。 館主のふゆひめの奏でる琴が霊たちを慰める。 浮かばれないものたちは、琵琶の弾き手である、ゆきにも近づくのだが。 表紙画像:水野年方(パクリックドメイン)

ファンタジー平家壇ノ浦歴史時代

評価・レビュー

息を呑んだ

 サイトさんでもレビューを書かせていただきましたが、何より「それは流れるような当たり前」と書くのが非常に上手な作家さんです。大賞取られたのですね、本当におめでとうございます。  擬音にも惹かれました。中原中也のように奇抜だ。しかし凄くわかりやすい。想像が出来る、頭の中に琵琶が鳴るのです。  琵琶というのは一見地味でいて、しかし持ち手が(ギターでいうところのネック)非常に狭いため、1音もそれほど鋭さがないんです。  大抵の弦楽器等、ギターでいうところのドラムではないような楽器は、一度五線譜音階に音を拾い直すのではないかと思う。この作品は、その音階では現せない。  どうして琵琶だったんだろうか、というのもきっと、それらを踏まえると答えになるのかな、と思ったのでネタバレレビューとしました。  演奏の後の余韻、どうしてだろうかあれらはピタッと止まるはずなのに、空気の振動が胸に来る。そしてそれは恍惚なのか…寂しさなのか、晴れた日なのか曇った日なのか。けれど、音は目に見えない。サイトさんレビューでも触れたが「黒い水」って果たしてなんだろうか。  読後の光のようなものは汗なのか涙なのか、私には見えなかった、わからなかった。ただ、呆然がそこには広がっていたように思う。

5.0

詩木燕二