狂おしいほどに、桜
最終更新:2017/9/30
作品紹介
神社の裏にひっそりと生えている桜の木。その幹を鉈で傷つけると、こことは違う世界に行くことができる。帰ってくるときは同様に、向こうの世界で桜の木を鉈で傷つければいい。 あの日、小学生だった僕は、偶然にも桜の木を傷つけてしまい、異世界へと渡った。 そこでの出会いは、経験は、あまりにも色鮮やかで。僕の人生を大きく彩り、変えていった。 何度も桜を傷つけて、何度も異世界との行き来をしていた僕は、次第に大人になっていく。 けれど、僕は知る。 この不思議な経験が、いつまでも続くわけではないという事を。 「これで、最後だから」 桜色の花吹雪に包まれて、僕は鉈を振り下ろした。 ※カクヨムの日帰りファンタジーコンテスト、参加作品です。
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