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@オノログ
作:root-M
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最終更新:2021/12/2
いかにして男は【竜伐の英雄】となったのか。 彼と、彼の妻の悲しい物語。 全3話
タイトルが意味深です。やがて死に至る幸福。幸福が死に至るとはどういうことなのでしょうか。 こちらは、意図的ではないとは言え、竜の子を殺してしまった夫婦の両方の視点から語られる物語です。 母竜の気持ちも、父竜の気持ちもわかります。しかし結果的に妻は死に至る呪いをかけられてしまう。 自身の一部を犠牲にしてまで、妻に呪いをかけた竜の言葉はとても重たいものです。妻のせいで死んでしまった竜の子を思いながら生きる。それはきっと竜が与えた罰なのでしょう。 夫は呪いのもとである竜を殺そうと力をつけてゆき……竜伐の英雄と呼ばれるようになる、運命の日がやってきました。 しかし果たして夫は竜を殺す必要があったのでしょうか。 どちらが正しいとか悪いとか、そういった話ではない。どちらにも立場があるのです。 なんだかとても複雑な気持ちにさせられました。正義とはひとつではないことがよくわかります。そして妻が夫に遺した手紙でわかるタイトルの意味。 名もなき語り部が、最後に救いと希望をもたらしているようにも思えました。 悲しくもどこか幸せな気持ちを残してくれる、素敵なお話です。
想田スイ
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