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@オノログ

作:桜桃

貴方の復讐、お手伝い致します

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最終更新:2021/3/16

作品紹介

 人気の無い道。周りには古い建物が並んでいる。  そんな中、1つだけ人が住んでいる家があった。そこには黒いストレートな長い髪が特徴的な青年が微笑みながら立っていた。  顔上半分は前髪で隠れてしまっているため見えない。  その青年にはある噂があった。その噂とは── 【殺したい程の憎しみを持っている人はどうかお試しください。貴方の××と引き換えに復讐させていただきます】  らしい。  今日も、その店には人が訪れる──── 「貴方のご依頼、お聞かせ願いましょうか」 ※小説家になろうにも投稿中  

男主人公ホラー復讐すれ違い想い

評価・レビュー

復讐の先にあるもの

 人を呪わば穴二つという言葉があります。  主人公はある人物に復讐をしかけようと、怪しげな男と契約する為にボロい店のドアをくぐります。  背景描写がよいですね。  閉店の看板ばかりが並ぶ道にあるボロい店……内部は散らかり点滅する電球。古びた異臭がしてきそうな店が脳裏に浮かびます。  そして個性的な風貌の、店主と思われる男性には名前がない。  物腰柔らかなのに、どうにもうさん臭さが目立ちます。一体この物語はどうなっていくのかと、わくわくさせてくれます。  主人公は冒頭より憤っており、ある人物を殺したいほど恨んでいる。復讐の契約にどんな対価が必要なのかわからないうえに、どうなっても構わないと約束させられるのは正直躊躇します。それでも契約してしまった主人公の恨みは、計り知れません。  けれどせめて主人公は誰かに復讐を依頼するのではなく、自分自身の手で実行すべきだった。  そうすれば取り返しもついたはずなのですが……  人を呪わば穴二つ。主人公は自分の短慮により、大きすぎる代償を支払うことになります。  人の心の醜さ、弱さ、疑心暗鬼。それにつけこむ男性の存在がうまく融合し、後味の悪いお話に仕上げてくれています。

5.0

想田スイ