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作:日埜和なこ

俺の幼馴染みは戦場の女神になれない

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未評価

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最終更新:2023/1/29

作品紹介

【第24回ルビー小説大賞用あらすじ】  舞台は現代から一千年後の世界。  大自然に淘汰された世界で生き延びる人類は、突如として現れた異形の獣と戦いながら、強かに命を繋いでいた。  滅びを待つのみだった人類は抗う力──魔装を手にいれるが、全ての者が使えるわけではなく、適正者のみが扱えるものだった。  その適正者が集まるのが国軍の魔装部隊だ。  モーリスは候補生を担当する教官として、アサゴ基地の魔装部隊に所属している。同じく教官である幼馴染の佐里愛翔(さりまなと/愛称サリー)を長年口説き続けているが、一向に振り向いてもらえずにいた。  二人には、忘れたくとも忘れられない思い出がある。訓練生時代に刻まれたその記憶は苦いと同時に甘く、モーリスがサリーに執着するるきっかけでもあった。  守れなかった過去と向き合い、苦しみながら生きてきたモーリスだが、それを知りながらサリーは彼の手を取ろうとしなかった。素直になれないだけではなく、失う怖さを知っている彼もまた自分の弱さと戦っていた。  ある日、有望株と言われる候補生のケイ・シャーリーの不調が報告される。その射撃スコア低下が目に余り、上官からモーリスにフォローアップの指示が出された。モーリスはケイの悩みを聞くことになる。  時を同じくして、サリーは付き合っていた男に振られ、懇意にしていた仕立て屋の娘・清良との婚約の話を聞き、失意の底へと落とされる。   ケイと清良が本心では、お互いに好意を寄せていると知り、モーリスとサリーはどうにか二人の悩みを解消して、幸せにしてやれないものかとお節介を焼くことになっていく。  単なる初心な若者の恋の悩みと思っていたモーリスだったが、その背後にきな臭い男の存在があると気づく。その男の名は染野慎士。ケイの幼馴染・清良の婚約者であると同時に、サリーの元カレだった。  染野慎士は怪我が元で退役したが、今でも軍人として復帰したいと考えていた。しかし、それはあり得ないと断言するのが、染野慎士の父でもある少佐だった。さらに少佐は、染野慎士がアサゴ基地を裏切り敵国シーバートに渡るつもりだろうと考えていた。それを秘密裏に止めて欲しいと、モーリスとサリーは頼まれることになる。  事態は急変し、ケイと清良が失踪した。さらに、各地での異変が相次ぎ、基地は騒がしくなる。  市街地訓練と称した敵迎撃態勢がとられ、民間人の避難誘導が開始される。その最中、モーリスとサリーはケイと清良を攫ったと思われる染野慎士を追いかけ五十八番通りを目指すことになる。その先で待ち受けていたのは、アサゴの街にいるはずのない魔物だった。それは二人の苦い思い出と切り離すことのできない魔樹、生き物をとらえて魔力を食らう魔物だ。  魔樹を薙ぎ払いながら進む先に現れたのは、染野慎士とシーバートの女軍人だった。  モーリスとサリーは事件を解決した後、ついにお互いの本音をさらけ出して向き合い、十年後しに思いを成就させることになる。 ────────────────── 短編【腐れ縁をこじらせた俺の話を聞いてくれ】を元にした長編になります。 https://kakuyomu.jp/works/16816700429295538187 R15でBL初心者さんも安心設計の【ファンタジー×ミリタリー】! ヤンデレ気味な攻め×ツンデレ女装受け。ファンタジー色濃いめガンアクションありでお届けします。 ※イメージイラストが、こちらの近況ノートに有ります。 https://kakuyomu.jp/users/hinowasanchi/news/16817330651906612306

BL幼馴染み両片想いガンアクション

評価・レビュー

意外なところで繋がる彼らの糸。どのように解決に導かれるのだろうか?

【組み合わせ・舞台】 長年片想いで一筋なモーリス(だが非童貞)とツンデレ拗らせて素直になれないサリー  舞台は現代から一千年後の世界。  高度な文明を築いていた人類は、突如として現れた大自然の化身によって滅ぼされた。人々は住むところを追われ、細々と生きていくしか道はなかったようである。  だが一千年前、ある神の齎したものにより戦況は変わる。  人間は諦めるしかなかった現状に、希望の光を見たのだろう。  魔法の使える世界であり、人間たちは手に入れた力により異形の獣(魔物)と戦っている。 【物語の始まりは】  ピンチに陥ったモーリスの元へサリーが助にくる場面から始まっていく。  そこから世界観や戦闘に関するシステム、二人の性格の分かるエピソードが語られていく。 【主人公たちと登場人物について】  モーリスは一途なのが伝わらないほど、軽い感じの印象。ポジティブな考え方をし、それを口にするものの本心までは分からない。もしかしたら相手の冷たい反応に対し、心の中では落ち込んでいるのかもしれないと、思っていたが読み進めるとちょっとズレたタイプであるということが分かってくる。  よく言えば恋は盲目。悪く言えば、周りが見えていないタイプのようだ。  サリーに関しては、塩対応という印象。それでも冷たいというわけではなく、態度に出さないタイプというのが近いと思う。心配はしているはずだが、普段からこういうやり取りをしているなら、なかなかその時だけストレートな反応というのはできないものだと思う。 【物語について】  この物語は戦闘シーンから始まっていくが、戦いなどがメインではなくモーリスが怪我をしたことにより、次々といろんな問題が連鎖して起きる物語である。  主人公のモーリスはケガによりしばらく療養することとなった。その間、候補生の一人に異変が起きる。その彼はモーリスのケガの原因に関係していたため、彼が責任を感じているのかと思い話を聞くことに。  しかし彼が集中できなくなっていたのにはもっと別の理由があったのだ。  このままでは良くないと、彼の問題に関し調査に乗り出すが意外なところで事件は繋がっていたのである。 【見どころ】  始まり方からは、戦闘シーンの多い物語だと思ってしまうが、どちらかというと探偵物語に近い。  主人公はモーリスとサリーだと思われるが、候補生であるケイとその幼馴染みの清良との恋を巡っていろいろと画策などをし解決していくことが二人の目的の中にある。  モーリスはその性格ゆえに、一途であることを信じてもらえないように感じるが、サリーの本心は分からないもののケガをさせてしまったことを後悔しているシーンもある。 ケイと清良の恋愛事情については、サリーも無関係ではなく複雑な心境に。  ただの恋愛事情ではなく、軍内での上下関係や裏取引など複雑に絡み合い一筋縄ではいかぬ状況。果たして二人はこの幼馴染同士の恋を解決に導くことは出来るのだろうか?  そしてモーリスの恋は報われるのだろうか?  この物語の結末を、ぜひその目で確かめてみてくださいね。お奨めです。 *備考2-5. 心に残る男の影①まで拝読

5.0

crazy's7