ギスギスオンライン
最終更新:2024/4/19
作品紹介
時は西暦202X年。ごく当たり前のように発表され、ごく当たり前のようにサービスを開始した一つのオンラインゲームがあった。ジャンルはVRMMO。思い通りに動くキャラクターと異世界転移を疑うグラフィック。それは、あからさまなまでのオーバーテクノロジーを詰め込まれた現代のオーパーツであった。 このゲームは異常だ。プレイヤーは口を揃えてそう言うが、レビュアーたちはイヤに冷静で、VRMMOというゲームジャンルの構造的な欠陥を指摘してくる。意欲的なタイトル、やりたかったことは分かる、次回作に期待とかそんな感じだ。そうじゃないんだと主張しようにも言われていることは至極まともでなんだか納得してしまう。目的地まで歩いていくのは正直ダルかった。戦闘も何から何までマニュアル操作で普通に疲れるし……。 これは、とあるVRMMOの物語。 主人公のコタタマはごく平凡なプレイヤーの一人。戦闘は苦手だが、その日時々で狩りに出て、持ち帰った戦利品でクランメンバーの武器を打つ。鍛治の腕前は廃人に及ぶべくもなく、露店で掘り出し物が見つかればそれに越したことはない。 そんな彼がある日、ひょんなことからヘイトコントロールしたモンスターの群れを中堅クランのキャンプ地に誘導してターゲットをなすり付けたら全滅してしまうという事件が起きる。現行犯逮捕されたコタタマは身の潔白を証明するために容疑を否認するが……?
評価・レビュー
刺さる人には貫通するほど刺さる作品
自分は貫通した。 読む人を選ぶ文体だとよく言われてるけど、自分は3話読んで文章力の凄さに感動した方だから、読みにくいという人にはオススメの仕方が分からない。 とにかく文字量が多いので、改行や空白、カギかっこの会話文多めに慣れてる人は苦手かも。そこは好みなので読んで判断して欲しい。 どれだけ長文でも目が滑ることなく読ませるテンポのいい文章で、改行や空白の「間」の取り方、言葉選びがとにかくすごい。 伏線も張られまくってて、回収された際には「まさか、あの時の…!?」というより「あれ伏線だったんかい!!」という楽しさがある。 あと登場人物はどんどん増えるけど個性の塊だらけなので忘れるのが難しい。ゴールデンカムイが好きな人は分かると思う。 肝心のストーリーはギャグとシリアスと訳わからなさが怒涛のように襲ってきて120%面白いので割愛。
shovel
非常に奇妙な作品
ここ数年、定期的にランキングに浮上してくる本作であるが、世にも奇妙な文体の持ち主である。日本語である。何が起きているかはわかる。ただ、物語の進行がさっぱりわからない。VRもののテンプレートには当てはまらず、日常系と言うには殺伐としすぎている。白黒のジグゾーパズルの組み立てはじめのような、手のつけられない不思議な感覚を味わえる。 私の読解力の問題で評価を低くつけざるを得ないが、一度読む価値があることは断言できる。物好きな方は、一度は読んでみてほしい。貴方が挫折せず楽しめることを願う。
runo0044
「こち亀」のようなどんちゃん騒ぎが好きな方にお勧めです!
当作品を一言で説明すると「小悪党だが、決めるところではきっちり決めるクズな主人公が、悪事に走ってヒロインに殺され、スケベ心をだしてヒロインに殺され、良い空気になったらヒロインに殺される話」です。 上の説明で全く理解ができない方、ぜひ読んでいただきたいです。 気がつけば、この作品の魅力に中毒になること間違えなしです。 一つ惜しむべく点を挙げるとするなら、文風がやや独特で読む人を選ぶ点です。 ただ話が進むにつれて、読みやすいように文が整っていくので、最初の何話かで心折れることなく、読んでいただきたいです!
らい しゅう