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作:成橋 阿樹

処の境界

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最終更新:2023/1/26

作品紹介

奔放僧侶+性悪陰陽師+最弱主人公 豊富な知識を持つ彩流 依は、国に属する正式な陰陽師の家系である、紫条 蓮と共に、蓮につく式神を求めてある山中に入った。その山は神と仏が併存する場所。険しい道を進み、頂上へと向かう中、依が足を滑らせ落下した。依の体を朽ちた木の幹が突き抜け、死を覚悟していたが、蓮の呪力で死を免れる。 依の体を突き抜けていたのは、その地に祀られた『依代』だった。 落ちた場所に覚えのある依は、蓮の言葉を聞きながら、蓮との出会いを思い出す。 『他の何よりも……誰よりも、依。お前がいい』 依と蓮が山に行ってから、少しずつも状況が変わっていく。 蓮の父親である総代が、ある仏の像を他の寺院に移していた。 仏の像を移した場所は、依と蓮と親交の深い、藤兼家の寺院だった。 蓮は自分のところから移された仏の像がなんだったかに気づくと、何が起こり始めているのかを察し、寺院の息子である藤兼 羽矢に協力を求める。 『冥府の番人、藤兼 羽矢。別名、死神。その門を開けてくれ』 死者の魂が閻王に裁かれる日、冥府に導いた魂が消えていた。羽矢は、魂が奪われている原因を察し、閻王に奈落への立ち入りの許可を得て依たちと共に河原に向かう。 河原には舟守がいたが、その舟守は霊園で見掛けた神司だった。 依たちは、冥府から魂が消えるのは神司が関わっていると、神司の行方を探す。 神司を追って辿り着いた神社の木には、釘を打ち込まれた人形《ひとかた》が無数にあった。 『ここは常夜……夜だけの神の場所。呪いの神社だ』 次々と冥府から魂が消え、行方を追う依たちは、神司の企みが何であるかを知る。 異変が起きる中、依は、自分という存在の感覚が薄れていくのを感じていた。 『眼《げん》、視覚に置き、耳《に》、聴覚に置き、鼻《び》、嗅覚に置き、舌《ぜつ》、味覚に置き、身《しん》、触覚に置き、意《い》、知覚に置く。我が器を処《しょ》とし、境界を定める』 存在を確認するような、呪文のような言葉。 全ての理由は、蓮と登った山に繋がっていた。 神仏判然令によって定められた神と仏の境界。 廃仏毀釈により、廃された寺。 『泣いていたんだ。たった一人で……そこにいたのが依なんだ』 自分という存在が判然としない依の正体が明らかにーーー

残酷な描写あり男主人公シリアス異能力バトルボーイズラブ

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