ブックワームは本屋に潜る
最終更新:2023/3/9
作品紹介
本屋《ブックストア》は不思議なところで、しょっちゅうその構造を変える。なんでも、昔々の大魔道士がとんでもない知識を封じ込めるために作ったダンジョンなのだそうだ。 その知識を守るため、構造を変えて侵入者を惑わせる。 それだけじゃない。封じられたたくさんの知識は自我と形を持ち、自らを守る。それが本《ブック》だ。 様々な本《ブック》は、その内側に知識という宝物を持っている。 その宝物を探しに行くわたしたちのような人間は、探索者《ブックワーム》と呼ばれている。 一攫千金を狙って、いろんな人が本《ブック》を探しにきている。わたしもその一人。 そんなわたしが出会った一冊の本《ブック》。それは珍しく人の姿をしていた。 これは、少年の姿をした本《ブック》と、探索者《ブックワーム》のわたしの、始まりの物語。、