【完結】花旦綺羅演戯 ~娘役者は後宮に舞う~
最終更新:2023/3/27
作品紹介
国一番の役者の娘である燦珠《さんじゅ》は、父に倣って国一番の華劇《ファジュ》の花旦《むすめやく》になるのが夢。けれど、女の芸はあくまで余興、男旦《おんながた》と同様に舞台に立つことは望めない。 「女が女を演じて何が悪いのよ!?」 拳を握る燦珠に、美貌の宦官・霜烈《そうれつ》は囁く。 「秘華園──後宮には女だけの戯班《げきだん》を養う一角がある。そこならばお前の望みも叶えられよう」 皇宮の最奥では、皇帝や妃嬪を慰めるべく選りすぐりの女役者が切磋琢磨しているのだという。無論、寵愛や権力争いにも深く関わる蠱毒の園でもあるのだが。 「歌って踊れるならどこでも良いわ! っていうか天子様に認められたら私が国一番よね!?」 意気軒高の燦珠は、まだ知らない。後宮に渦巻く嫉妬や欲望は思いのほかに強いこと。即位したばかりの若き皇帝は大の華劇嫌いであるということを。 華劇に懸ける燦珠の熱意は、皇帝の考えを変えることができるのか!? 後宮の陰謀を除くことができるのか……!?