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作:どっぐす

緑の楽園

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最終更新:2018/11/10

作品紹介

太平洋戦争末期に政府機能移転先として建設が進められていたものの、結局使われることはなかった大地下要塞・松代大本営。 もしもそれが千年後の未来で使われていて、世界に影響を及ぼす存在になっていたら――。 本作は、そんなアイディアをもとに書きましたSFファンタジー小説です。 なぜか文明のレベルが下がっており、かつそのまま停滞している千年後の世界。 そこに21世紀のモラトリアム大学生と3歳の紀州犬が放り込まれ、世界の謎を解き明かしていくことになります。 ※異世界転移風なので、あまり堅苦しくはないと思います。

SF大学生人工知能少年紀州犬松代大本営跡

評価・レビュー

そばにいて、ただ、ともに歩きたい。

 大学生と紀州犬が異世界転移(ぽいもの)をしてしまう、というもので、とても読みやすく安定感のある一人称の作品です。  時おり挟まる小粋なユーモアについついニヤリとしてしまいます。  犬(それも日本犬)好きには堪らない、クロの犬らしさがたいへん愛おしい。  最初の頃、言葉が通じるにもかかわらず、主人公のリク君は飼い犬のクロと上手にコミュニケーションできないのですが、犬飼い経験者的には「それ、犬だからだよッ」と画面外から声援を送りたくなってしまいます。  そんな主人公のリク君はごくごく平凡な大学生。転移した先で披露できる特技や技術などがあるわけでもなく、その世界の人々に助けられてながら謎を探ることになります。  この国は子どもたちがとてもしっかりしていて、現代日本から転移したリク君の無力さが際立ってくるのですが––––、そこで魅力なのは、どこまでも誠実なリク君の人柄です。  彼はどんな相手でも誠実に対話を求め、理解しようとし、その上でできることをしようとする。その姿勢は読んでてとても気持ちが良いです。  心中のツッコミもセンスが秀逸。  ラストは、犬を愛し共に生きた経験を持つ者であれば胸をえぐられる、そんな感動が待ち受けています。  すべての謎が明かされ、すべての役目を終えたとき、リク君だけでなくこの物語を見守ってきた読み手の側も、そのひたむきな想いに気づかせられるでしょう。  犬好きな方、SF好きな方、歴史が好きな方、ぜひご一読をオススメします。

5.0

眞城白歌