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作:飯田太朗

彬光の家族

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最終更新:2021/2/26

作品紹介

女子高生の「私」は父子家庭。どうも自分の出産後に母は死んだらしい。上の姉二人は母の愛情を受けられたので真っ直ぐ育ったが、「私」はどうにも捻くれている。その自覚はあるのだが、やっぱり素直にはなれず……。 「大っ嫌いっ」 何かにつけて「私」はそう叫んでしまう。しかしある日、偶然同じクラスだった男子に、「君は、高木彬光とか読まないの」と訊かれる。 「は。誰それ」 折しも学校では「読書発表会」が迫る。自分で二冊から五冊の課題図書を見つけ、その本を読んで得られた考察について発表するのだ。しかし「私」は読書嫌い。さて、どうやって発表をクリアするか……。 ※ 当サイトに載せられている文章の著作権は全て飯田太朗に属します。

ミステリー文学女子高生日常の謎心理学

評価・レビュー

欠けた心のピースも、埋めてくれる人がいる

 高木彬光の事を知らずに読みました。読む上で覚悟をしておいた方がいい箇所があるため、その注意を兼ねて少しネタバレ感のあるレビューになっておりますので、以下を読む方はご注意ください。  日本の三大なんたら、の中で一番、知られてない人のような気もするけど、作中でも”知らない”人がたくさん出て来るので、作中で知って行けばいい、という感じでしょうか。  最初に見えるのは「私」の周囲のひび割れた硝子。母がいない事で空いた心の穴。穴が開いたというか、本来は母が埋め尽くすはずだったエリアが、母がいない事で埋まらず、そのまま高校生になってしまったという感じですね。  「私」は「私」をも含めた周囲への「嫌い」という言葉で傷つき、傷つけて行く。五話で、彼女は荒ぶってしまい、周囲の硝子が粉々に砕け、その破片で読者である私も、作中の「私」も、とにかくなんだか傷ついてしまい。五話以降が読めなくなって、随分間を空けてしまいました。受けた傷が癒えたのか続きを読もう!とやっと思えるようになり、続きを拝読したのですが、硝子が砕けた事による風通しの良さが、六話からスタート。  ひび割れた硝子が砕け散った事によって、消え去る壁。  周囲の距離感が一気に縮まっていく。    これは心の物語ですね。一人の女子高生の心のピースが埋まるまで。言葉に表現しにくい、不可思議に動く心。理屈では言い表せない事柄が、心理学の知識で整理されていく。  自分の気持ちが表現できなくて、”嫌い”と叫び続けた「私」。  素敵な良い人がたくさん出てきます。  とにかく、五話までを乗り切って、最後まで読んで欲しい一作です。

5.0

MACK