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作:黄札

ドーナツ穴から虫食い穴を通って魔人はやってくる

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未評価

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最終更新:2024/4/13

作品紹介

 ドーナツ形の大陸には、虫食い穴という異空間トンネルが点在する。それは海を越えて移動することもでき、異世界へつながっていることもある──  魔の臣従礼を交わし、友人のシーマに仕えることになったユゼフ。命令に従い、外遊中の王女ディアナを守ることに熱意を燃やしていた。  ところが、シーマの目的は王位簒奪。しかも、ユゼフの従兄弟のイアンを謀反人へと仕立て上げ、討伐してのし上がるという卑劣な方法だった。守れと命じたのは、ディアナが第一王女であり、婚姻すれば王権を得ることができるからである。  時間の壁により国は分断され、ユゼフの方では国内で起こっていることを把握できない。そんな状況下、ディアナを好きになってしまう。  愛か義か。懊悩するユゼフからディアナは奪われる。愛する彼女を救うため盗賊の手を借り、魔の国へ向かうのだが……  始まりは王女をめぐる冒険譚。さらわれた王女を救う旅は、やがて王位争奪戦へと変わる。前世の因縁、亜人と人間、男と女、親と子、上官と下官……戦いは上から下へと裾野を広げていく。ついには大陸全土を巻き込む大騒動へと。  美しき王女は意地悪な暴君だ。鈍重で陰気なユゼフ、周りを強く惹きつけるシーマ、愚かで乱暴者のイアン、常に正しく清廉なサチ──四人のうち、最後に玉座を得るのは誰か? ****************** 第1回マンガBANGコミックス×AVEX PICTURES WEB小説大賞一次選考通過。 とっても長い物語なので、途中からでもどうぞ。一部前編と後編で編成されています。各パートの頭から読み始めても。※何度か改稿しています。 アルファポリス、ツギクルにリンク有。 毎週水木金 週3更新。 21時~22時に更新します。 ©2021黄札

R15残酷な描写ありファンタジー悪役令嬢オリジナル戦記身分差

評価・レビュー

生半可な話ではない。必死に生き抜き、世界を変えようとする者たちの物語。

【物語は】 ある上位の王室付学術士の老人が、主人公を起こすところから始まっていく。 何かにうなされていたのか、”憎悪のこもった咆哮が荒野に響く”(作中の文を引用)とあることから、よほど悪い夢を見たのだと思われる。ここで老人は、近くの天幕で眠る王女が、今の咆哮によって目覚めてしまわないかを、案じていた。老人は汗の凄い彼に水などを勧めつつ、寝ぼけている彼に現状を説明。彼とやりとりの最中、案じていたことが起こってしまうのであった。 注*群像劇は全員が主人公という場合がある。レビュー上、初めての方にも、分かりやすく(伝わりやすく)するためにユゼフを主人公と記載しています。 【物語の魅力】 主人公(ユゼフ)と王女がどのような人物なのか、会話や話の流れなどによって分かっていく。 三話まで行くと舞台となる大陸のイラストが、添えられている。タイトルだけでは分らなかった”ドーナツ穴”。ドーナツが大陸の形であることが分かると、タイトルの意味が明確になって来る。 この物語には、古代の長さの単位が使われている。世界観を大切にするために、古代の単位が使われているのではないかと想像した。 その後、建国について詳しく説明がなされたり、一話に登場した”壁”について描かれていく。この作品は、しっかりとした土台を築き、自分の中に創造した世界を表現しているところが印象的だ。 この物語の中で”壁”がとても重要なものであり、オリジナル要素であることが分かる。ここに詳しく書くことは出来ないが、意外性の詰まったものであることは間違いない。この壁が果たして物語にどのように影響を及ぼしていくのか、とても興味深い。 【登場人物の魅力】 この物語は群像劇である。群像劇には二種のタイプがある。 この作品は各視点(登場人物)により、色んな角度から物語について描かれ、謎部分も明かされていくスタイルなのではないだろうか。 その中で、各登場人物にどんな役割分担があるのか。 これが直接、登場人物の魅力に繋がっていると感じた。特にそれを強く感じたのは、この国について良く知っている人物の視点で、世界観が描かれていくところ。必然性で物語が作られているのだと感じた部分でもある。 この作品は、生易しい物語ではない。かなり壮絶であると感じた。 主人公が王女を守る理由。彼女を守るために犠牲にしていくもの。王家に仕えるものが賭けるもの。 それぞれに使命があり、仮に虐げられていたとしても、それが全うすべき自分の人生であり運命である。 ある者は性を失い、ある者は辱めに耐え、ある者は命をかける。 生半可ではなく、それぞれが人生を賭けたヒューマンドラマだと感じた。 【物語の見どころ】 まず舞台や世界観に対する拘りが凄い。単位、王家のシステム。この中には古代の単位、宦官などが含まれる。宦官とは、男性の仕える相手が女性の場合、去勢をするという事。 オリジナル要素の”壁”についても細かく設定がなされており、分かりやすく説明されている。それがどのように物語に影響を及ぼしていくのかも、見どころの一つ。 主人公にとって守るべき王女が、人として尊敬に値しない。そこから産まれていく心理も、見どころだ。主人公はこの王女に忠義があって守ろうとしているわけではない。 彼はとても正直者であり、自分を曲げられない部分がある。それは周りから見れば、世渡りが下手に見えるだろう。しかし彼には、曲げられないからこそなし得ることがある。 そしてあらすじにも書かれている、”世界を変えたい! 若者達の強い想いが国を変えていく。虐げられていた亜人種が国を取り戻すために立ち上がる物語。”(あらすじより引用)ここが最大の見どころだ。 是非、あなたもお手に取られてみませんか? 過酷で壮絶な舞台、そこで必死に道を切り開こうとする彼らの物語を。 おススメです。

5.0

crazy's7