奴隷屋の日常
最終更新:2021/6/30
作品紹介
▼物語を大きく改変している最中です。既読の方も、よろしければまた、新たに読んでいただければ嬉しいです。 ――――― これは、一人の青年が一人の従者と共に、ただ奴隷屋を営むだけの物語だった。 その奴隷屋は、商品である奴隷に清潔な空間を与えていた。きちんとした食事や風呂の提供。温かいベッド。趣味の許可。地下での閉鎖的な管理という点を除けば、世間では蔑まれるのが常識な存在に対し、なんとも寛容であった。 しかし青年にとって、奴隷はどこまでも〝商品〟でしかなかった。 過ごしやすい環境は、あくまでも品質を維持するため。奴隷とはいえ、汚くて健康に害のありそうなモノを欲しがるだろうかと疑問を抱いたから。 お客に購入してもらうために、常に商品を良い状態で保つのはお店として当然だ。その当然を、この奴隷屋でも実践しているに過ぎない。 なのでもし、商品が売れないと見切りをつけた場合は……。 青年の名前はシリウス。従者の名前はライファット。 彼らの毎日に、特別人に話せるような驚きや興奮はない。それは日々を過ごす上で、多くのことを望まないがゆえの平穏で、これからもずっとそのつもりだった。 これは、そんな物語だった。 ――――― ※ 一話完結形式です。 ※ 物語の時系列はバラバラです。 【奴隷屋の休息】も、合わせてどうぞ! https://novelism.jp/novel/xru6yZBKT56SujyR1sHVCQ/