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作:優月 朔風

wink killer もし、ウィンクで人を殺せたら――。

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最終更新:2024/3/21

作品紹介

 もしウィンクだけで人を殺せる力を手にしたら、貴方はその力、何に使いますか。  誰かを守るため?  自分を守るため?  それとも――憎い相手を、殺すため?   ☆★☆  別れたはずの元恋人に殺されかけ、死の間際にあったある一人の女子高生。  彼女が手に入れたのは、右目を瞑ることで人を殺めてしまう事ができる、wink killerと呼ばれる死神の力だった。  「この力は、大切な人を守るために使う」  彼女はそう誓い、大切な者を守るために生きると決めた。  ――はずだった。 ※同一作品を「小説家になろう」「カクヨム」にも掲載しています。 ※素敵な表紙絵は瑞樹くりむ様(@773_cream)に作成していただいたものになります。著作権は瑞樹様にあり、画像は小説表紙として使用許可を頂戴しておりますので、無断使用・無断転載はお控えください。 ※この作品には、本編ラストにハッピーエンド保証が付いています。

R15女主人公ファンタジーダーク異能死神

評価・レビュー

心理そのものをモチーフとし、心理描写が丁寧に描かれたヒューマンドラマ

【物語は】 予言ような夢から始まる。物語はその後、学校での日常風景へ。 主人公には数人の仲の良い友人がおり、弄られるようなポジションに見える。しかし、主人公は彼女たちを大切に思っている様だ。恐らく、この穏やかな日常が変わっていまうのではないだろうか。 【変わりゆく主人公の日常】 いつも通り、友人に対して振舞う主人公。しかし、既に変化は訪れていたようである。回想と共に明らかになる、その日の出来事。彼女が狙われたのは、たまたまだったのかも知れない。しかし彼女の性格や言動は、恋人が求めたものに合致してしまう。 大好きだった元恋人に裏切られるだけでなく、自分勝手な彼の思想の元に、命まで奪われそうになる、主人公。絶体絶命の危機。だが、彼女が死ぬことはなかった。代わりに転がっていたのは、元恋人。 何が起きたかもわからず、雨の中を無我夢中で逃げ帰る主人公。何度も繰り返し、起きたことを考えてしまう。彼の言葉と共に。それでもなんとかこの日は眠りにつく。 そんな彼女を、翌朝待ち受けていたものとは? 主人公は、死神だという男から、詳しく自分の能力について聞くこととなる。自分がしてしまったことを、受け入れることができない彼女であったが、徐々に理解し罪悪感に苛まれていく。それでも、いつも通りの自分でいたい。友人の心配をかけないと望む。しかし気持ちの、限界が訪れてトイレに駆け込むのであった。 【自分と向き合い、受け入れる主人公】 この物語の主人公は、とても弱い人間だと感じる。弱いからこそ、人に迷惑をかけないように、自分を抑え込み感情を隠す。きっとそうしなくてはならない何かがあったのだろう。 ある日突然人を殺せる力を手にしたら、確かに誰だって怖いと思うはずだ。ましてや、恋人を殺してしまったというのならば。 いい子でいたい気持ちもあったのだと思う。だが現実は黒い感情で、恋人を殺してしまった。しかも誰にも言うこともできない。自分を責め続け、いつもと違う友人の優しさに、救われたりもした。だが拒否したところで、この力が無くなることはない。 そんな彼女から、本心を引き出そうとする死神。やり方は手荒だが、ようやく主人公が生きることを受け入れたように感じた。 【物語の全体像】 一章は、まだ主人公が”ウィンクだけで人を殺せる力”を手に入れ、罪悪感と戦う様子が描かれていると感じた。この物語の方向性や全体像が分かってくるのは、二章に入ってからだと思われる。 一章では友人たちとのやり取りがあり、主人公だけが自分を出せていないのかと感じられた。しかし物語が進むにつれ、それぞれが心に何かを抱えているのではないかと思い始める。 悲しい事件を乗り越え、ようやく自分の力を受け入れる主人公。これから彼女に、どんな日々が待ち受けているのだろうか。 【物語のみどころ】 この物語には、ところどころにメッセージが盛り込まれている。それは、対人だったり、生きることそのものであったり。 はじめは人と上手くやろう、心配や迷惑をかけないよにと思っていた主人公。死の危険が訪れることによって、死神の力を奪ってしまう。 その力で生き延びたものの、簡単に受け入れることが出来なかった。 罪の意識で潰れそうになるも、事実は変えられない。自分は生きていていいのだろうかと思いながらも、生きたいと思ってしまっている。良心の呵責が自分自身を追い詰めているのではないだろうか。 やっと生きることを受け入れることは出来たけれど、力までは受け入れられなかった。そんな彼女に、ある出会いが訪れる。この出会いがターニングポイントだったのではないだろうか。この事件で初めて主人公は、自分の意志で力を使うのだ。しかし、新たな恐怖が彼女を襲う。 この物語はヒューマンドラマであり、人の心理そのものがモチーフなのではないだろうか。その為、焦る気持ちや恐怖心、不安などが丁寧に描かれていると感じた。 あなたもお手に取られてみませんか? 主人公が自分の力を受け入れた時、彼女の日常はどう変わってくのだろうか。 ぜひ、その目で確かめてみてくださいね。お奨めです。

5.0

crazy's7