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作:野口健太

【改訂版】乙女の海上護衛戦記

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最終更新:2019/4/10

作品紹介

 王国海軍のリチャード・アーサー少佐が着任を命じられたのは、女性たちが運用する駆逐艦だった。舞台は荒れ狂う北の海。同盟国行き輸送船団を死守せんとする、第一〇一護衛戦隊の物語がいま始まる。 https://kakuyomu.jp/works/1177354054883421293 こちらの改訂版になります。海戦、それもマイナーな商船護衛を題材にした作品ですが、興味が湧きましたら是非とも御一読ください。 改訂前の旧版にて、2018年WEBアマチュア小説大賞の一次選考を通過。 現時点における参考資料一覧 ①小説 ハヤカワ文庫NV  セシル・スコット・フォレスター、『駆逐艦キーリング』『巡洋艦アルテミス』  アリステア・マクリーン、『女王陛下のユリシーズ号』 徳間文庫および中央公論社新書  佐藤大輔、『レッドサン ブラッククロス』シリーズ 朝日ソノラマ   ロジャー・ヒル、『死闘の駆逐艦』 ②資料本 光人社  雨倉孝之 『海軍護衛艦(コンボイ)物語』 潮書房光人社  「丸」編集部、『軍艦メカ 日本の駆逐艦』  山本平弥ほか、『秋月型駆逐艦(付・夕雲型・島風・丁型) 光人社NF文庫  森田友幸、『25歳の艦長海戦記』  木俣滋郎、『極北の海戦 ソ連救援PQ船団の戦い』 新紀元社  津久田重吾、『ミリタリー服飾用語辞典』 並木書房  林譲治、『図解・海軍水雷戦隊』 学習研究社  中村雅夫(編集長)、『大西洋戦争 【歴史群像】欧州戦史シリーズ、vol6』  星川武(編集長)、『[図解]Uボート戦全史 第二次大戦欧州戦史シリーズ㉓』 大日本絵画  岡部いさく、『英国軍艦勇者列伝』  吉原昌宏、『吉原昌宏ミリタリーイラスト集 ミリタリー雑具箱』       『吉原昌宏ミリタリーイラスト集 ミリタリー雑具箱2』  ゴードン・ウィリアムソン イアン・パルマー、『オスプレイ・ミリタリー・シリーズ 世界の軍艦イラストレイテッド6 ドイツ海軍の駆逐艦 1939-1945』  マーティン・ブレーリー、『オスプレイ・ミリタリー・シリーズ 世界の軍装と戦術4 第二次大戦の連合軍婦人部隊』  こがしゅうと、『アナタノ知ラナイ兵器3』『アナタノ知ラナイ兵器4』 Seaforth Publishing  JOHN ROBERTS "BRITISH WARSHIPS OF THE WORLD WAR" Osprey Publishing  Angus Konstam "British Destroyers 1939-1945 Pre-war classes" ③ホームページ(サイト名のみ紹介) 桜と錨の海軍砲術学校 WarBirds 海の仕事.com ソナーの基礎知識/古野電気 Destroyer Escort Historical Museum

架空戦記戦記ミリタリー歴史・時代海軍海上護衛戦

評価・レビュー

調べ上げられ丁寧に描かれたIFの世界。彼女たちの行く先は───?

【物語は】 ある一隻の『帝国』海軍所属の潜水艦が、撃沈されるまでの経緯から始まっていく。前日譚では、王国海軍側の視点で物語は進んでいくようだ。バスで首都に降り立った二人。どうやら彼らに出頭命令があったらしく、その理由について憶測している。何故ならば、”いち士官の人事手続きに際して、首都まで来るように命じるのは珍しい”ことだったから。ここで、首都の様子について語られている。会話の内容などから、戦時中であることが伺える。 (””内は引用である) 【補足:個人的に分からなくて調べた用語】 哨戒(しょうかい) 敵襲に対して見張りをして警戒すること。 緒戦(しょせん) 戦争が始まったばかりのころの戦闘。 【舞台・物語の魅力】 本編に入り物語を追っていくと、主人公が首都に呼ばれた本当の理由が明かされていく。タグを見ると架空戦記とある。ことから架空の物語なのだと推測できるが、リアルさを感じる為、現実なのか架空なのか判断しづらい。それほどまでに詳しく調べ、作品にその事が活かされていると感じた。 参考資料については、あらすじの部分に記載されている。 女性採用までの経緯について。 二人の会話から、色んな背景が見えてくる。話しの流れなどが巧く、とても論理的で理解しやすい。この物語は疑問を残さないように、丁寧に描かれていると感じた。 【彼女たちの覚悟】 指揮官の覚悟。戦争というのは人と人の殺し合いである。女性であっても戦場に出れば、負傷する可能性もあるし死に至るケースもある。無傷である保証は何処にもないのだ。そして、この戦艦に乗っている指揮官は女性。共にここまで歩んできた部下たちが、これから危険な目に合うかも知れない。そう考えた時、きっと迷いが招じるに違いない。 だが戦場では、そんな甘えた考え方は許されないのである。 そして志願した以上、そうなることも考慮しているはずなのだ。 戦争は多くの犠牲を払うものであり、得るものはないように感じた。 【この物語は何故、女性の運用する駆逐艦にスポットをあてているのか?】 この物語は、単なる戦時中の一コマではない。 何故女性の運用する駆逐艦が舞台であり、そこにスポットを当てたのか? ここが一番重要だと思われる。 女性が戦争に駆り出される理由については、誰しもなんとなく想像がつくのではないだろうか? そう、人手不足である。しかしこの物語で描かれているように、”以前から女性が戦争に駆り出されることは珍しくはなかった”とある。 つまり駆り出されるそのものではなく、”特殊な条件で集められた者”(引用)というところが重要なのではないだろうか? 【特殊な条件とは】 (ソナーに感あり   同日 一二二四時)まで読了。 この物語で一番気になったのは、特殊な条件が何を指しているのか? と、言うことである。 **この点について作者様から補足の解説をいただきました。 ”以前から女性が戦争に駆り出されることは珍しくはなかった” ★引用許可をいただいております。 ────文面引用 作中における女性の軍務はあくまで後方勤務にかぎられております。これは史実の二次大戦における、(ソ連を除いた)連合国側での様子を参考にした描写です。女性たちに軍が与える仕事は、補給関係や技術職といったあくまで補助的な業務でした。前線へおもむき、銃を手に取って戦うことは原則として認められておりません。だからこそ第101戦隊を編制するさいに、『特殊な条件を付与』して将兵を募ったと作中で言及しているわけです。(また史実をみてみると……すくなくとも20世紀前後の価値観では、こういった形でも女性が軍にくわわる事は異例とみられた節があります。たとえば作中でわずかに触れた、軍に勤務する女性にたいする偏見じみたゴシップ記事は資料でみたものを参考にしました) ────上記の補足をいただく以前の自分の解釈 指定の職業を集めたのではないかと推測した。 しかしここ(ソナーに感あり   同日 一二二四時)まで拝読して感じたのは、女性であることそのものが特殊な条件なのではないかということ。 いただいた解説により、女性が全戦に出ること自体が”異例”であったことを知りました。これが特殊なこととと感じなかったのは、自分が歴史をよく知らないことに加え、女性が戦うことを当たり前に感じていたからではないかと。ゲームや映画などのイメージから、その考えに至らなかったのだと思われる。 つまりこの物語では、もし女性のみで運用される駆逐艦があったなら。というIFの世界を描いているのだと感じた。 作中には女性であるが故の難点と、良い点が描かれている。ある一点においては、一概にこうとは言えない部分もあるが、女性ならではの気遣いや人間関係が、描かれているのではないだろうか? と感じた。 【物語の見どころ】 臨場感があり、ハラハラドキドキする物語である。全体的に丁寧に描かれているところは見どころの一つ。 そしてこの作品からは、いろんなことを考えさせられた。 人は意志の疎通ができるにも関わらず、思想や宗教の違いにより簡単に殺し合う生き物である。戦争は自分たちに害が及ぶ恐怖から、逃れるために始まるものではないのだろうか? と感じた。共存し合う道もあるにもかかわらず、人間は不安や恐怖からは逃れられないのだ。 そうやって男手の減った国で、彼女たちは何を想い志願兵となったのだろうか? 自分を守るため、家族を守るため、国を守るため。あるいは、愛する人を奪われた復讐かも知れない。しかし一度兵となってなったなら甘ったれたことを言いうことはできないし、生半可な気持ちで務まるものでもない。 彼女たちは、男性には劣るものの一人一人が誇りを持ち、任務にあたっている印象である。確かに、男性のみの艦とは雰囲気が違うように思う。 (乗ったことはないので、はっきりとは言えないが) 果たして彼女たちは、どのようにして道を切り開いていくのだろうか? あなたもお手に取られてみませんか? 女性だからこその戦い方が一番の見どころだと感じました。 彼女たちの行く先を、その目で是非確かめてみてくださいね。 お奨めです。

5.0

crazy's7