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@オノログ
作:風綾草之
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最終更新:2018/2/15
自傷を続ける新と、彼を見守る雪子。 ふたりが生きる、道程。
トンネルを~や、いや、雨にも負けず~なんかの作品がパッと頭を駆け抜けますね。(と、別作家さんを引き合いにしてしまってすみません) 雪解けの水はさらさら、ちろちろと流れていく。作品を一通り読むと「あぁ、このじんわりとした人肌のような目覚めはなんだろうな」という気持ちになりますが、物語の彼は凶器を持っている。 では作者様の凶器は。(作者と作品の融合というのが“小説”という形の芸術だとしよう) はじめから毎ページ「刺さるな」と思える表現は散らばっているのですが紹介にあたりじゃぁ…大体皆様3ページくらいが「作品の入り口」なのでしょうか。では、まず1ページ目の「私的刺さった表現」を引用します。 遠い波を聞くように、雪子という静寂を新は己の胸のうちの心音を聞く。(引用) では、3ページを過ぎ4ページ目。 時とは、手の平で丸めてしまえるものとして、彼の元に届いてくる。(からの文が凄く刺さりました) ぱたっと本を読み終わるとまず頭で何かを考えると思います。私は何を考えたか。 彼女は彼の雪解けだったのかもしれないな。ここは、ただの自分の部屋なのに、なんだかとても静かだ。 でした。 表現、感性がとても綺麗な作者様です。是非一度手に取っていただきたい作品です。
詩木燕二
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