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作:かの未琴

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最終更新:2018/4/29

作品紹介

食べることは、生きること。 そんな小咄をひとつ。

恋愛短編

評価・レビュー

噛めば噛むほど

 へのジレンマ。これを読んだ当時のレビュー(というか紹介文)に、「骨まで食べては」の部分を安易に取り上げたがまぁそう、ゾクッとしたのだ。  内容的には「お料理小説」だと思います。イカの塩辛かぁ。いつも言葉のセンスにぐっと掴まれるんだよなぁ。  おいしい食べ物特集に後に入ったそうだ。という事実を頭に置いて読んでみて欲しい。かなり異風だ。未琴さんに聞いてみたい、それはどう受け取ったのかなと。  個人的にですが私は実は、その特集の意図とは裏の感情で読んだんだ。食べたいものと言われてもなぁ、という時期のせいでその「生命維持」の意味が虚空になったことがあるからだ。彼女の気持ちが少しわかる、理由は違うけれども。  出されたら食べるよとも、実は違う。  けれど物語は「少し前向きになれたね」という印象を残すのではないかな、と思う。そこを噛めば噛むほどに、と私は考えた。  あと、作者さんはちょいちょいロックな方だ。ふわっと絡められる例えば音楽などがエモい。けど、特別意味を絡めているだろうか、というのが「イカを捌く」なのかもしれない。 よくある日常の中にある「ドラマ」です。人は、生きていれば1本の小説になるというくらいですからね。「ただの日常」なんて、物語では当たり前に無いが、私たちにも無いものなんです。

5.0

詩木燕二