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作:久々原仁介

海のシンバル

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最終更新:2023/9/28

作品紹介

 海沿いの街、梶栗郷にひっそりと佇むファッションホテル『ピシナム』は、2019年2月にその歴史に終止符を打った。  ホテルマンとして働いていた青年の磯辺は、ライターの秋山千鶴から『ピシナム』の取材を持ちかけられていた。磯辺は取材を経たのちに、かつてホテルを利用していた女子高校生「R」との出来事を思い返す。  当時、ホテルを訪れる度に風貌の違う男を連れまわすRを、磯辺は次第に気に掛けるようになっていった。2人は顔を合わせることはなく、声を掛け合うこともなく、フロントと部屋を繋ぐ気送管ポストで手紙だけを送り合う。  そして磯辺は文通のなかでRの抱える秘密と孤独に気づき始める……。 文芸社NEO最終選考作品 最後まで読み終えたとき、心は震える。

R15日常恋愛青春悲恋純文学