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作・StellA

そして、君たちは世界の片隅で引きこもることを選んだ。

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【作品紹介】

 世界は緩やかに停滞しようとしている。  数世紀も前から叫ばれていた燃料枯渇問題は、様々な取り組みが行われているものの、未だ解決の糸口が見つからないでいた。  まだ裕福な地域も残るものの、地理的に自然エネルギーに乏しく、また化石燃料もない貧しい地域はエネルギー制限がかけられており、日常生活が原始的になり文化的な生活が送れない地区は広がっている。  君たち ―― 日本もまた、自然エネルギーに乏しく、化石燃料のない国だった。  それでも、技術立国としての地位を確保していたため、裕福な国ではあったが、技術が飽和していた世代において、衰退の一途を辿るであろうと予言されていた国でもあった。  日本は火山帯である地形を利用した地熱発電を推進することで、どうにかエネルギーを確保しようと奮闘した。  しかし、国際社会はそれを許さなかった。  残り少ない資源をコントロールしようと各国は躍起になり、ようやく海底地熱発電機構 ―― ワダツミシステムの運用にこぎつけた日本に対し、エネルギー資源の供給に制限を課したのだ。  運用が始まったばかりのワダツミシステムでは、国内需要を賄いきれないと判断した日本は、衛星を使って太陽エネルギーを地表受電するという、とんでもない技術を採用した。  そのことにより、当時、ぎりぎりの均衡で保たれていた国際社会のパワーバランスが崩れると懸念されたが、日本はその技術及び得たエネルギーの国際流出を自粛し、緩やかに鎖国するという道を歩んだ。  列島に生きる人々の生活を支えるのは、東海沖に浮かぶ人工島からなる海底地熱発電機構である<ワダツミシステム>、そして、列島上の宇宙空間に建設した静止衛生群および宇宙基地からなる宇宙太陽光発電機構<アマテラスシステム>。  これは世界の片隅で引きこもることを選んだ人々の群像劇。 ※思いついた順に書いていこうと思っていますので、時系列はバラバラです。 -お礼- ※本作は『箱庭』シリーズのリメイクです。 ※『箱庭』シリーズに反応くださった方ありがとうございました。 ※今後はこちらを地味に更新していきたい所存です(2021/08/31)。

日常 青春 ガールズラブ 近未来 百合 SF ディストピア 群像劇 短編集 オムニバス

投稿されたレビュー

鎖国政策下の日本に生きる人々の想いに触れる、ディストピアSF短編集。

 この海の底は、少女との約束の地でもありました。  エネルギーの枯渇問題は、この地球に生きるものすべてが無関係ではいられません。  日本は『独自の技術』によって海洋や宇宙に大規模なエネルギー供給機構を創り上げ、鎖国することを選択します。  女性は国民の義務である徴労のため、数ある職場から海底施設を選びました。  そこへの道中、高校時代のクラスメイトと再会したことで『幼なじみの少女』のことを思い出します。 「二十歳になったら、あの場所で再会しよう」  かつての約束を胸に生きる姿は背景描写と相まって、女性のまとう空気感を切なくも美しいと感じさせます。  どこか空虚感もある「海底庭園」は元クラスメイトの視点から見ると、また違う景色を映し出します。  そして「天上の庭」では国家機密の『核』が判明し、この世界がディストピアなのだと印象づけられました。  とても好きな群像劇作品です。  ━━━━━━━━━━  こちらは元々、3つの短編からなるシリーズ作品として掲載されていたものが『加筆修正』された連載作品です。  群像劇となっているため、一人ひとり違った価値観から生きている様子が伺えます。  個人的に地の文が好きで、頭の中に幻想的なイメージを思い浮かべながら読んでいました。  鎖国された日本で『国民の義務』が課せられているような世界観、その核にある『国家機密』がなんなのか分かった瞬間はかなり驚きました。  3作目「天上の庭」を読むまでは『ディストピア』という感覚はなかったのに、秘密が分かってから読み返すと一気にディストピア国家・日本を感じられました。  ━━━━━━━━━━  現在15話(約4.2万字)で、各5話ずつ区切られています。  百合要素(ガールズラブ)があるのは「海底庭園」の2作品ですが、それほどあからさまではないので苦手な方にもオススメしたいです。 ・海底庭園 ■竹下  幼なじみの少女との約束を胸に生きる女性のお話。 ・海底庭園 ■亀田  好きな女の子と再会し、高校時代の出来事を振り返って前に進むお話。 ・天上の庭 ■江崎  普通の技術要員だった男性が、国家機密に関わるお話。

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mochi*(読み専)

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