ユーザー登録・ログイン

新規登録

ログイン

作品

レビュー

登録/ログイン

その他

オノログについてFAQ利用規約プライバシーポリシー問い合わせユーザー管理者Twitter
レビューを投稿
書籍化
コミカライズ原作
ジャンル別
サイト別
サイト関連
運営している人

@オノログ

作:かつたけい

鼻がでかいからフラワー

星5つ

0%(0)

星4つ

0%(0)

星2つ

0%(0)

星1つ

0%(0)

未評価

0%(0)

最終更新:2019/2/1

作品紹介

高塚香奈は中学2年生。 笑顔、元気をモットーに、毎日を楽しく生活している。それが、一年近く引きこもっている姉の魅来を勇気付けることになると信じて。 姉が生命を軽んじるような発言をするのが大嫌いで、たまにやり合ってしまうことがある。 そんなある日、香奈は地元の商店街で、ぶっ飛んだ格好の老人たちを目撃する。 黒いレザーの上下に、顔を真っ白に塗った、ロックバンドをやっているとしか思えない恰好。 実はみんな、商店街の老人たち。 しかし、 バンドって…… 全員、八十歳を過ぎているはずなのに。

ファンタジー切ない成長もの少女戦記

評価・レビュー

笑えて泣ける、メルヘンチックで残酷な、バンド小説

ちょっと前に、アニオタ小説のレビューを書きましたが、その作者、かつたけいさんの作品です。 奇妙なタイトルに、なんじゃこりゃ、と思い、こちらも読んでみたら……引き込まれました。なんだかズルズルと。 アクが強すぎて、万人にはおすすめできないかな。ということで、辛口の評価3.5です。 まずは簡単なあらすじ。 主人公は、中学生の女の子、高塚香奈(たかつかかな)。 とっても明るくて元気な女の子。 ですが、引きこもりのお姉ちゃんと、仲が悪い。 悪いというか、お姉ちゃんが完全に心をとざしており、それをなんとか元気づけようとするのだけど、お姉ちゃんが大暴れして、ボコボコに殴られてしまって。それでも香奈は、自分のこの態度が、いつかお姉ちゃんを救うんだ。と、あくまで前向きに、元気に過ごす日々。 ある日、商店街で、不思議で不気味な老人たちを目撃する。 黒い上下に、顔が真っ白塗りの、パンクロックみたいな、老人たち。 正体は、実は香奈のよく知った、商店街の老人たちだった。 商店街活性化のため、目立つような珍しいことをやろう、ということで、結成した老人バンドだ。 なんとなく通ううちに香奈は、なんとなくバンドに加わることになってしまう。 親にギターも買ってもらい、老人たちとの楽しい日々。 家では姉に殴られるけど、めげず、くじけず。 作詞を任されることになったものの、なかなか良い詞がひらめかず。 でも楽しいバンド活動。家ではボコボコ殴られるけど。 そんなこんなしているうちに、香奈は、交通事故で死んでしまいます。 冒頭の冒頭で分かっていることではありますが、とにかく、物語は主役交代。 後半は、お姉ちゃんの復活物語です。 引きこもりになった理由、ある酷い目にあったことが原因なのですが、 実は、前半ではまったく語られていなかった、凄いことが分かります。 お姉ちゃんよりも、死んだ香奈の方が、実は遥かに、凄まじく酷い目にあっていたのです。自殺してもおかしくないほどの。 自分を責めるあまり、精神がぐちゃぐちゃになって、お姉ちゃんは引きこもりになってしまっていたのです。 なんとかその苦悩から立ち直り、妹のあとをついで老人バンドに入り、妹が書きかけていた歌詞を、自分が完成させる。 そしてついに、フェスの日が来る。 ずっと引き込もっていたお姉ちゃんに、まともに歌えるはずもなく、と、そこに小さな、奇跡が起きて…… と、こんな感じのお話です。 なんだろうな、この物語は。 とってもせつない。でも、それだけでもなくて。 楽しいほどに、悲しくて、 悲しいほどに、楽しくて。 笑いと泣きが、絶妙な感じに溶け合った、そして題材が老人バンドという、とっても奇妙な物語です。 ちなみにタイトルは、物語のストーリーとは関係ありません。 バンド老人の一人の、肉体特徴であり、ニックネームです。 メンバー全員の、ニックネームでの紹介シーンがあるんですが、これ、笑えます。不謹慎だけど笑えます。是非、読んでみて欲しいです。 以前、泣き映画ブームがありましたけど、そんな感じに泣きたい人に、おすすめなお話です。

3.5

Jリーグボール3号