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作・結月 花

白銀の狼

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【作品紹介】

「人狼」ーーそれは、人と狼の二つの姿を持つ種族のこと。 彼らは普段は人の姿で生活を営み、狩や戦闘の際は狼の姿になって戦う。 狩猟生活がメインである狼の村において、その身に宿る強さは絶対的な価値基準だった。 人狼の村に住むレティリエは、村で唯一狼の姿に変身することができない女の子だ。 狼になれない彼女は、狩や戦いに一切参加ができない為に村中から蔑まれ、ずっと肩身の狭い思いをしていた。 対して、幼い頃から思いを寄せるグレイルは、村では一、二を争う程の実力者。 狼として価値が無いレティリエは、グレイルに思いを告げることさえできず、遠くからそっとその姿を眺めるだけの毎日だった。 だが、狼の村では役立たずなだけであったレティリエは、人間の世界においては絶大な価値を誇る美しい狼だったのだ。 狼達の婚姻相手を決める「豊寿の祭り」の日、レティリエはその容姿に魅了された人間達に攫われてしまう。 そして彼女を助けにきたグレイルも、人間の魔の手に落ちて共に連れ去られてしまったのだ。 人間に売られそうになる二人だが、レティリエは鋭い洞察力と強い精神力、そして美しい容姿を武器に苦境に立ち向かっていく。 これは、報われない人生を送っていた女の子が、幸せになるまでの恋の物語 ☆がついているエピソードは性描写ありですが、基本的に直接的な描写は避けているのでぬるいです。 それでも匂わせる描写はあるので、苦手な方はご注意願います。 ©️2020-yuzuki hana ※当サイトに掲載されている内容、テキスト、画像等の無断転載・無断使用を固く禁じます。(Unauthorized reproduction prohibited.)

冒険 恋愛 ファンタジー 異世界 ハッピーエンド 幼馴染 人外 切ない

投稿されたレビュー

今まで自分に全く自身のなかった主人公が、自分で切り開く苦難の道の先に

【簡単なあらすじ】 ジャンル:恋愛 人狼であるにも関わらず、村で唯一狼に変身することができない主人公は、狩りもすることができない落ちこぼれであった。その為、幼馴染みで想いを寄せる相手と結ばれることを諦めていた。しかし狼達の婚姻相手を決める「豊寿の祭り」の日に人間に捕えられてしまう。想い人が助けに来てくれたものの、彼も酷い怪我を負ってしまう。果たして二人は無事に逃げ帰ることができるのだろうか? 【物語の始まりは】 孤児院の厨房で、主人公が調理をしている場面から始まっていく。それは彼女の毎朝の仕事であり日課なのだろう。主人公にはどうやら好いた相手がいるらしく、朝の準備を整え彼に会いに行くのであった。 【舞台や世界観、方向性】 人間たちの会話から、人魚やエルフも存在する世界だと思われる。 強い子孫を残すことは義務(責務?)であり、種族を守ることに繋がる人狼たち。彼らには感情で好いた相手と番になることではなく、強い者同士が番になることを求められる。これは現代の日本の社会(他の国では分らないが)とは大きな違いと言える。より自然界に近い形だと感じた。 主人公レティリエ視点だけではなく、彼女の想い人でもあるグレイル視点からの場面もある。 【主人公と登場人物について】 あらすじから分かるように、主人公達は人狼である。人と狼の二つの姿を持つ種族ありながら、主人公の少女は、村で唯一狼の姿に変身することができない。とても健気で心優しく、幼い子供たちにも好かれている印象。 主人公の幼馴染みであり、想い人でもあるグレイルは村では一、二を争う程の実力者。しかし奢るわけではなく、彼女が悪口を言われていると怒りだすという思い遣りや優しさも持っている。(怒っているのは、それだけが理由ではないかもしれないが) 【物語について】 同じ孤児院で育った幼馴染みに恋をする主人公は毎朝、彼に朝ご飯を届けていた。狼に変身できない引け目があるのだろうか、とても控えめである。もうすぐ豊寿の祭り。若い狼達は冬の祭りに備えて番の相手を探す大事なお祭りでもあるようだ。 しかし、狼の姿に変身できず狩りもできない主人公にとっては、喜ばしいとは言えないのかもしれない。何故なら想い人はいるものの、自分がその相手と結ばれることはないと諦めているから。そしてこの日、彼女は人間に捕らえられてしまったのである。 一方、異変に気づいたのは彼女の幼馴染みであり想い人でもあるグレイル。主人公であるレティリエ視点からでは、何となくでしか分からなかったが、彼は彼女のことをよく観察しており、その性格も把握しているようだ。そんな彼は一早く異変に気づき、彼女の様子を見に行く(探しに)よう頼まれる。彼はレティリエを救い出すことができるのであろうか? 【良い点(箇条書き)】 ・主人公の成長の物語でもあると感じた。 ・人間に捕まるまでは、何をするにも自信が無いような印象であったが、捕らえられた後は、自分が何とかしなくてはという責任感と勇気を感じられる。 ・ターニングポイントの前後で主人公の変化がはっきりしており、緊迫感のある物語でもある。 ・人は自分次第で変われるのだという、希望を持たせてくれる。 ・主人公たちを応援したくなる作品である。 【備考(補足)】11話まで拝読 【見どころ】 この物語は、主人公が人間に捕らえられたことがターニングポイントとなるのではないだろうか? それまでは人狼の村で落ちこぼれだった主人公。変身も出来ず、狩りもできない彼女には貰い手がいないという予想がつく(種族の性質として)。それはすなわち種の繫栄すら出来ず仮に相手がいたとしても、産まれてくる子が自分同様であるならば、言葉の通り役立たずという結果になってしまう。しかしそれは、人狼の村(人狼の社会)を主体にした場合のこと。 もしそれが、別の場所であったなら? この物語は人狼の社会で落ちこぼれだった主人公が幸せを掴むまでの物語ではあるが、社会を反映している物語でもあると感じた。 例えるなら、Aという会社では能力が発揮できず万年平社員だった人物が、別の会社では頭角を現しトップまで上り詰める。つまり自分の力を発揮できる場所であれば、落ちこぼれではなく有能であるということ。もしかしたら主人公も、そんな風に変わっていくのではないかと想像させる物語である。 あなたもお手に取られてみてはいかがでしょうか? 主人公がどんな風に幸せを掴んでいくのか、その目で是非確かめてみてくださいね。お奨めです。

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crazy'[email protected]レビュー師with優人

『強さ』とは何か。涙無しでは語れない切なくも儚い時代を表す恋愛物語。

番外編を含む全てを読み終えました。 この物語は、狼種族のレティリエという女性が主人公のお話です。そのレティは美しい容姿を持ってはいるものの、一人だけ狼の姿になれないという悲しい事実を抱え、狼社会でとても孤立しています。 その美しい姿を人間に目をつけられたレティは、とんでもない事件に巻き込まれていきます。 そしてその事件を皮切りにずっと片思いだったグレイルという狼青年との恋愛を描く儚く切ない物語です。 まずとにかくすっと入り込んでくる作者さまの文章術がとても凄く、ガンガンと心にレティの儚い思いが飛び込んできます。 私はいつの間にかレティに完全憑依しており、とにかくレティの辛く悲しい気持ちが手に取るように感じてしまい…… 恐らくこの物語の半分ぐらいずっと泣いていた気がします。 そして彼女が思いを寄せるグレイル。 彼もまた狼社会という、人間社会とはまた全然違った価値観や概念がある中で戸惑いながらも色んな困難に立ち向かいながら、少しずつ今まで狼社会に無かった新たな価値観や気持ちに目覚めていきます。 それもレティが辛く悲しい過去から色々なことを学び、感じ、辛い事が多くあっても、何度も崩れ落ちそうになりながらでも不屈の精神的な強さを持っていたから。 そのレティの思いと切ない恋心を中心に、狼社会という世界が少しずつ変わっていく……そんな恋愛をメインとした物語ではありますが、今の社会の考え方や人々の価値観、自分の在り方など、とても考えてしまうという儚くも美しいお話でした。 『強さ』とは一体何か。 その答えはこの物語に詰め込まれています。 涙無しでは語れないこの素晴らしき物語に、多くの方々が出会えることを強く願っています。

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凛々サイ

美しさは姿形だけではなかった、その心と愛も

 レティリエは、人狼の村にあって、狼になれないというマイナススタート。それを要因としての不遇が続くのが、読んでいてなかなか辛いのですが、そんな中でも彼女の味方になる安らぎの存在が誰かしらいるという、絶妙な匙加減で、ひたすら辛いだけの状況ではなく、レティも読者も踏ん張れるという。  狼の世界観と価値観、人間の世界観と価値観が交錯していく中で、健気なレティリエは、その凛とした狼としての矜持を胸に、孤独の中でも一人立ち向かって、いくつものピンチを、機転と度胸で乗り越えていく姿は、とにかく逞しくて美しい。  彼女の心に秘めた恋心が甘酸っぱく、グレイルとの僅かなふれあい、それこそ肩が触れ合うような些細な事でも、一緒に胸が早鐘を打ち始めるような、切ない恋心を追体験してしまう。  人と、狼と、両方の姿を持つ人狼という立場を、人と狼それぞれの価値観を絡ませて表現しているのが秀逸。そこにロマンス要素が比重高く反映されていて、恋愛小説としてかなりのハイレベル作品。  更に、物語の主軸や世界観もしっかりしており、恋愛のタグで女性向けに思われるかもだが、人狼が主人公のファンタジー作品として、男性にも読みごたえのある一作ではないかと。

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MACK

ほんとの想いに気づいたら、戦え。悪意に立ち向かい、愛しき者を守るため。

 村のお荷物として蔑まれていた銀狼の少女と、村一番の強さを誇る黒狼の青年の、ひたむきで波乱に満ちた恋愛ファンタジー。  銀狼のレティリエは、狼の姿になれない女の子。彼女が恋する黒狼のグレイルは、村で一番強いと言われ将来を嘱望される青年。  力が全てとされる人狼の村では、狩りに加われないレティリエの想いは口にすることさえ許されないものでした。  祭りの日、レティリエは村のすぐ側まで来ていた人間たちに捕まってしまいます。異変に気づいたグレイルが助けようと追いかけるものの、大怪我を負わされ、彼もまた捕まってしまい――。  見どころは、主人公であるレティリエの勇気と知恵、そして後半になるにつれ磨かれてゆく演技力でしょう。想いびとであるグレイルは身体も大きく強い狼ですが、それでも人間たちによって追い詰められてしまいます。  度重なる窮地を、レティリエがどう切り抜けてゆくか。彼女につらく当たってきた村の狼たちにどう向き合っていくか。後半の展開には心を揺さぶられます。  作中では、狼社会の価値観と、他種族の価値観、そして人間社会の価値観が、繰り返し対比されます。特に、人間側が人狼(や亜人種族たち)を獣やペットとしか見ないゆえの対立構造が徹底的に貫かれていきます。  人狼と人間、両者の心は一切重なり合わず、それゆえにレティリエは一人きりで戦うしかありません。しかしその戦いは、彼女自身が自分の価値を知る切っ掛けでもあります。  グレイルは元より好青年なのですが、狼社会の風習を疑問に思わなかった彼も村の外の価値観に触れることで、少しずつ変化してゆくのです。  シンプルなストーリーで過不足ない描写、魅力的なメインキャラとブレない悪役たち。  躍動感あふれる物語です。ぜひご一読ください。

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眞城白歌

作品の評価分布

5.0~

10

4.0~

0

3.0~

0

2.0~

0

1.0~

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未評価

0

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