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作:船長

ふるさとタクシー

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最終更新:2019/10/10

作品紹介

ソメヂメスさんの自主企画「悪の祭典」に参加❗️ キャラクターとしての悪ではなく、概念としての悪です。 「夏の夜の怪談コンテスト」にも参加予定!

男主人公シリアスホラー現代日本コズミック・ホラー悪の祭典

評価・レビュー

誰にとっての『悪』なのか、『善』なのか。一度考えてみたくなる作品

ノベルアップ+の『悪』をテーマにした、自主企画に参加された作品です。 この作品は、日本だけでなく世界をも震撼させた某事件の施設があり、現在は市町村合併でなくなってしまった村に、当時珍しい名前の施設が作られた団体をベースに書かれた作品です。 主人公は不幸な人生だと思っていますが、『自分の不幸』は自分の中で『世界で一番自分が一番不幸』と考える事が多いです。タクシーの運転手(正体はそうではないかもしれませんが、便宜上ここではそう表現させて頂きます)はそれは違うと主人公に分からせます。主人公の思い出の地にタクシーを走らせて、彼の人生を思い出さそうとするのです。 特別な事がなくても、家族に囲まれ最愛の妻がいて、生きてきた人生が不幸な訳ではないと。自分の暖かな記憶を忘れてしまったのが、主人公にとって『不幸』だったのです。 この作品は、『悪』が何か明確には書かれていません。 普通に読むと、死のうと考えていた主人公にタクシーの運転手がもう一度生きる意思を見出した、どちらかというと『希望』の物語です。 タクシーの運転手は、何者なのでしょう。主人公の『心のふるさと』を見えさせる、催眠術や心理操作を使ったのでしょうか。それとも、本当に主人公の『心のふるさと』に連れて行ってくれたのでしょうか。 もしそうなら、これは魔法です。主人公がタクシーの運転手の言葉を信じても仕方ありません。 そして、この作品が表したい『悪』は何なのでしょうか。 もし例の某団体を模した団体の『光と命の国』に勧誘したのなら、この団体の未来は『悪』です。つまり、タクシーの運転手は主人公を悪に落とすだろう『悪の使い』になります。 ヒトコワ(ホラー)のジャンルになりますね。 古い事件の為、例の某団体が起こしたこと、施設、思考を知らない人には分かりにくいものかもしれない事です。ですが、私は個人的に好きな作風です。 苦しい時に助けてくれたものは、自分にとっては『善』です。たとえ全世界が『悪』だと非難しても、自分にとっては『善』なのです。 価値観の違いは、冷静になって見つめ直さなくてはいけない。 自分の幸せを大事にするのか、周りの人の幸せにするのが大事なのか。 人間は、弱い生き物です。弱っている時に囁かれれば、それに縋ってしまいます。 悲しくもあり、その後が気になるとても興味深い作品でした。 ぜひ、お読みになって『悪』とは何か考えてみてください。

5.0

七海美桜@小説書いてます