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作:つるよしの

煉獄にて、ひかりあれと

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最終更新:2021/10/3

作品紹介

隣国カメルアの後宮に拉致され、寵姫として入れられた娘カーサ。 愛のない情事に絶望した彼女は、相手の王子オルグを衝動的に殺してしまう。 死罪を覚悟していた彼女だったが、オルグが父王サレス二世に対する叛逆を企てていたことが判明、彼女の罪は見逃されることに。 だが、オルグの叛逆を秘すために、カーサの故国への帰還は認められず、彼女は護衛兼監視人の軍人ザルツと暮らすこととなる。 ザルツはカーサに言う。「俺はお前を護ろう。だが、逃げるか死を選ぶなら、俺を殺してからだ」 こうしてカーサとザルツの奇妙な共同生活が始まる。 そのうちに、国内でオルグの残党による叛乱が発生。 叛乱軍は講和の条件にカーサの引き渡しを要求。サレス二世はそれを呑む。 だが、ザルツはカーサを護衛の意地において守り抜き、悲嘆に暮れるばかりであったカーサの心は、少しずつ溶け始める。 しかし、ザルツには王に逆らえない事情がある。幼馴染みの寵姫アーリーと密通の疑惑を持たれ、彼女を自ら手にかけた過去があった。 それからザルツの心は昏く濁ったままなのだ。それをなにより心配するのは、ザルツの親友、宮廷医官のセダイ。 彼はザルツの己を顧みない姿勢に憂慮するが、ついにそれは現実のものとなる。 カーサの故国からやってきた、カーサの許嫁サズとの決闘をサレス二世に強要され、勝ってしまった彼は、罪の意識に耐えられず、 遂にカーサの前で自刃し、カーサを逃がしてしまう。 それを知り激怒し絶望するセダイ。セダイの手当で一命を取り留めるも、ザルツは牢に入れられてしまう。 牢の中でサレス二世は、拷問を受けるザルツに憎悪をぶつける。 「余はお前からアーリーを、カーサから我が子オルグを奪われた、これが憎まずにいられようか……!」 一方、故国に帰ったカーサは、ザルツが気に掛かってならない。 カーサはザルツに対する恋心を認め、サズと家族に別れを告げ、ザルツを救いにカメルアへと馬を飛ばす。 そのとき、カメルアでは新たな叛乱が発生していた。今度の首謀者は、ザルツの旧知、アーノルド。 同情したアーノルドは彼女を助けるが、その直後、カーサもまた囚われ牢に入れられる。 牢の中で傷付けられたザルツに再会するカーサ。サレス二世はそんな2人に目の前で睦み合うことを要求する。 その時、ザルツを救いに牢に飛び込むはセダイ。 果たして、カーサとザルツの運命や如何に。

R15恋愛女主人公異世界シリアス西洋風

評価・レビュー

どん底から始まる物語ではあるが、真実の愛を手に入れる物語でもある。

1 読む前の印象や予想など(表紙やあらすじなどから想像したこと) とても素敵な表紙が印象的な作品。光と影を感じる。何処かに囚われた女性の物語なのだろうか? というイメージを持った。 あらすじから想像したこと。 まず、後宮に寵姫とはどんな意味なのか調べてみた。 つまり主人公は皇后や妃などが住む宮中奥向きの宮殿に、気に入りの侍女または、愛妾として無理矢理連れて来られたということだ。 自分の意志関係なく、幸せになることも出来た人生を望まない形で奪われたということであろう。この物語の背景がどのようなものかは、読む前の時点では詳しく知ることはできないが、王族の情事の相手をさせられるということは、その身体に飽きるまで道具 (慰みもの)として扱われることになるのは想像に難くない。女性としては、絶望しかないであろう。彼女がしてしまったことは褒められることではないだろうが、同情してしまう。他人に人生を奪われた上に、死罪となる運命も辛いが、生き延びたとして他人に命を掴まれている状況。どちらが幸せなのだろうか? そんなことを考えさせられた。 2 物語は(どのように始まっていくのか?) 主人公と王族オルグとの情事の後から始まっていく。あらすじから想像したものとは大きく違い、彼女は寵姫そのものが嫌なのではなく、彼の所業に対して怒りを感じたのだと思われる。そしてこの男は、元々そういう人間なのだと分かって来る。あらすじの軍人ザルツがどのようにかかわって来るのだろうと思っていたが、本編に入ると直ぐに状況が分かって来る。彼が主人公と共にいなければならない理由も間もなく明かされるだろう。彼らの会話から、犠牲になった人が少なくはないことが分かる。主人公は自分への屈辱を果たしただけではなく、彼女たちの無念を晴らしたという事も踏まえると何とか生き延びて幸せになって欲しいと願わずにはいられない。果たして、彼女の運命はいかに? 3 世界観について 主人公は、元々この国のものではない。ある出来事がきっかけで無理矢理連れていかれたのである。彼女にとっては最悪の出来事が、その国にとっては吉となる。彼女の殺害した人物は謀反を企てていた為である。知らず知らずにそれを阻止した形となった。その為、彼女は刑を受けることはなかったものの、オルグの支持者から命を狙われる可能性が出てくる。この国の複雑な事情により、主人公は罪は逃れても自国に帰ることが出来なくなる。 4 良かったところ。印象に残ったところ。好きなセリフなど。 *構成がとても良い。 プロローグでいきなり、物語の重要な部分に触れている。本編に入ると、この国の裏事情なども分かり、その後事の発端へと移っていく。この構成は、物語全体が把握しやすい為、内容が頭に入りやすい。どこを見るべきなのかが分かりやすく、方向性についても分かりやすい為スルスル読めてしまう。 *主人公が何故、こんな状況に陥ってしまったのか納得が出来る。 主人公の性格が言動によって分かりやすく明かされていく。その為、ハラハラするしこんな状況に陥ってしまったのが、その性格によるものでもあるのではないか? と納得してしまう。その始まりは偶然かも知れないが、この主人公だっからこそ、こんな展開なのだろうなと思える。違和感がないのだ。 *物語の舞台について、とても理解しやすい。 全体として、必要な部分のみが描かれている印象。何があって主人公が変わっていくのかもわかりやすく、それでいて物語は穏やかに変化しているように感じる。 *必要な部分がしっかりと丁寧に描かれている。 例えば、主人公の心情や境遇。護衛兼監視役のザルツの背景。彼の人生について知るのも、話の流れによるものでとても自然な流れ、構成なので分かりやすく理解し易い。 *この物語は愛の物語である。 どん底からスタートする物語ではあるが、この物語の中で主人公は真実の愛を手に入れることとなる。一体どんな展開になるのか分からないながらも、読み進めていくごとに主人公の気持ちの変化。そして相手の抱えるものが明かされる。主人公の気持ちの変化に納得が出来るため、応援したくなる。 5 お奨めしたい部分 この物語は恋愛要素も含まれるが、ヒューマンドラマ部分がしっかりと描かれている。それぞれの抱えているものは重いものではあるが、それゆえに感情移入しやすい。自分が彼らの立場だったなら、何を思うだろうか? 主人公たちは抗えない運命ながらも、生かされ生きている。自分の命さえも自由に出来ず、逃れることもできない。しかし、そんな彼らに光が差す時は来る。自分の意志で選んだ選択によって。 愛とは何なのか? 愛に苦しむ人々を描いたヒューマンドラマだと感じた。 6 物語のその先を想像して 二人は逃げ切り真の夫婦となるかも知れないが、この国の未来は定まってはいない。 想像し辛いが、新王の元に新たな国が一から作られていくのではないだろうか? ある意味、ここからがスタートなのかもしれない。 あなたも是非お手に取られてみてくださいね。お奨めです。

5.0

crazy's7