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作:武石勝義@『神獣夢望伝』発売中!

僕とばーちゃんと、時々彼女の島 ~僕の穏やかな島暮らしが終末を迎えるまで~

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最終更新:2020/5/3

作品紹介

※昨今のコロナ禍を思わせる描写があります。不謹慎、不快と思われる可能性がございますのでご注意ください。 僕はばーちゃんとふたり、この島に暮らしている。 生まれてからこの方、一度も外に出たことはない。 そんな僕が知るヒトはばーちゃんと、 本土から船で毎週のようにやって来る年上の少女アカリだけ。 このままずっと三人で続くと思っていた穏やかな暮らしは、 一人の漂流者を発見したことから崩れ去っていく。 ばーちゃんのかつての部下だった彼は、世界中を震え上がらせたという感染症に冒されていた—— ※拙作『星の彼方 絆の果て』https://kakuyomu.jp/works/1177354054886681016 の前日譚ですが、本作単体でも完結しています。 ※この作品は「小説家になろう」「ノベルアップ+」「NOVEL DAYS」と重複投稿になります。 ※無断転載対策用文言:本作の作者は武石雄由になります。

SF少女少年ディストピア感染症ばーちゃん

評価・レビュー

読了したその後で、もう一度読み返してもらいたい物語。

 船が見えるまで、あと十秒。いや、五秒。サン、ニ、イチ──。  僕とばーちゃんと、二人だけが暮らしている島に、度々やってくる少女──アカリが、荷物を満載したクルーザー船で接岸するシーンから、物語は幕を開けます。  二人プラス時々一人の、平穏な日常が続くはずだった毎日は、ある日、島に船ごと流れついた漂流者の存在で、少しずつ壊れ始める……。  この物語に登場してくる主要人物は僅か四人。主人公のハジメと、ばーちゃんと、時々島にやってくる少女アカリ。そして、中盤から登場してくる謎の男。  舞台も実にシンプルで、僕とばーちゃんが暮らしている島だけで物語は進行し、そして完結します。  しかしながら、描かれるテーマは実に壮大。  物語の中に紛れ込んだ”異物”により日々は変貌を遂げ、やがて世界の構造にまで及ぶ話に発展していくのです。  もしかしたらこの先の未来、本当にこんなことが起こり得るんじゃなかろうか? と薄っすら考えさせられる結末。そんな結末まで辿り着いた後で、是非、もう一度冒頭部分を読み返して欲しいですね。  きっと、なにか違う見え方があると思いますよ?  さて、筆者の卓越した筆力で丁寧に描かれる本作は、短編でありながらも読み応えは十分。  純文学好き。SF好きの双方に、自信を持ってオススメできるタイトルです。  また、筆者の代表作を知っている方なら、『ああ、何処かで見たような』という既視感を覚えるかもしれません。実際、私もそうでした。  ですが、それが『筆者の意図的なもの』だと聞かされてから、すとんと腑に落ちたものです。  気になった方は、お手に取っていただけると幸いです。

5.0

木立花音(こだちかのん)

情景も匂いも感情も全てを感じる

こう、本当にすごい所はなかなか言葉にしづらいなと思います。まず最初の島が遠ざかっていくところで心を奪われました。「ああ、これは最後まで読むしかない物語だ」と。海と風の匂いがするんです。僕、上手い作家って文章から匂いがすると思っていて、武石さんは本当に上手いなあと思いました。それ以降もそう。情景と匂いと感情の全てを感じます。ありきたりな言い方ですが、それって「そこにいる」ということですよね。 もちろん言葉にしやすい所もあります。とてもよくできたSFですから。途中から書き方に違和感を感じるんですが、それがどういうことか第8話で分かる、その時のゾクゾク感は忘れられません。この話、ちょっとした設定・描写にも理由があります。 そしてアカリのあれのまさしく「あっ」という感じ。その後ああなりますけど、でも一面としてはあれきりなんですよね。それで済ませてしまうのかと思いました。でもそれが……ということですから(ネタバレを恐れて何も言えん)。僕はあれで素晴らしいと思います。 あとは、毎回引きがすごいんですよね。引きを作るのに必ずしも事件やアクションを起こす必要は無いんだなということを改めて勉強できました。 ……いいところとか、面白さとか伝わった? 読んでね。

5.0

辰井圭斗