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@オノログ
作:さく
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最終更新:2020/1/22
俺は選択を迫られ続けた「あの日」を夢に見た。第一回こむら川小説大賞参加作品。 普段はクトゥルフ神話の世界に引きこもってシナリオを書いています。小説は不慣れなので、間に合った奇跡。
夏祭りの日、正体不明の化け物から追われる羽目になった四人組のお話。より正確には、半年前のその出来事を、夢に見てうなされる人の物語です。 夢、と言っても「夢だから何が起こっても平気」というものではまったくなく、むしろ真逆。 過去の出来事を、何度も夢に見ては後悔する、という事実。それが逆説的に物語の行く末を暗示しており、つまりは最初から惨劇が確約されているに等しい状況。その上で、お話が進む中で積み上げられていく、その要素の選び方がもう本当に好きです。 例えば登場人物同士の会話の、その様子から読み取れる信頼や友情など。好感を抱いてしまうようなプラスの要素が多くて、にも関わらず向かう先は(おそらく)地獄という、この真綿で締め殺すみたいな重苦しさが絶妙でした。 そして物語が進めば進むほど、どんどん狭まっていく生還の余地。繰り返される「選択」の瞬間と、その度に積み重なってゆく後悔。そして辿り着いた先、夢から覚めた瞬間の生々しさ。終盤、結構な分量を割いて描かれた光景の、その押し潰されそうになるほどの重み。 強烈です。取り返しのつかない現実の重さを、たっぷり味わせてくれる作品でした。
和田島イサキ
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