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@オノログ
作:いさき
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最終更新:2020/1/24
これは僕が、彼女に記憶を差し出す物語。
夢魔の少女に魅入られた少年が、彼女のために記憶を差し出すお話。 より正確には、夢魔の〝餌〟となる記憶を手に入れるべく、別の少女と思い出づくりに励むお話。 青春の日の小さな成長を描いた、爽やかで甘酸っぱい物語でした。一種のラブコメ、または恋愛ものであるとも思います。 どこかうら寂しい、ある種の残酷さのようなものも含んだ展開(および結末)だと思うのですが、それでも誰ひとり損はしていない(一応)というのが興味深いです。三方一両得。 とはいえ、それがただの役得に終わらず、「本当にそれでよかったのか?」と考えさせられてしまうところが好きです。 何より大切にしていたはずの、他者への初めての想いを失ってしまったことを悲しむべきか? 夢の世界への執着を捨てて、現実世界に根を張れたことを喜ぶべきか? 少し寂しいような、それでも幸せなような、独特の余韻。そこに残された小さな問い。とても綺麗な物語でした。
和田島イサキ
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