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@オノログ
作:武田修一
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最終更新:2020/1/26
何の装飾もない小さな箱をもらった。
ホラー。どうやら開けてはいけないらしい、正体不明の真っ白い箱のお話。 勝手に取り付けられた約束の身勝手さと、一方的に与えられる愛の傲慢さ。そんなもののせいで破滅させられることの、このなんとも言えない不条理感。腑に落ちないような、納得のいかないような、その収まりの悪さに含まれる不気味な恐怖。 不可思議なフィクションを書いているようでいて、でもここに書かれている恐怖の質は、きっと現実のそれに近いのではないか、なんてことを思いました。 この後味の悪さ、どうやっても割り切れない読後感が好きです。作品から浴びせられた黒くて重たい何かが、ずっと胃の中でもたれる感じ。 白い箱。自分ならすぐ開けてしまいそうな気がします。
和田島イサキ
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