刹那の風景　第一章

終着点を目指す、青年の放浪記

　病弱でずっと寝たきりだった主人公は、27歳でこの世を去る。気が付くと、そこは異世界であった＿＿＿ 　きわめてありきたりな設定から始まる作品であるが、人間の内面の成長や人々のかかわりは丁寧に描写されている。経験したことのない「人とのかかわり」を通じて、主人公がどのような人生を選ぶのか。過酷な定めのもと、懸命に生きる主人公の姿からは目が離せない。 　文体は地の文がやや多い完全な一人称視点である。内面の心情がストレートに表現されており、作品の魅力を生んでいる。また、各章のタイトルも趣があり、雰囲気が良い。 　 その他の要素:異世界転移、無双、シリアス、シリーズ連載中