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作:夜 月魚

高台の公園

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最終更新:2019/12/20

作品紹介

「私は見なかった」 20年ぶりに訪れた故郷の公園。 かつて親友の舞がいなくなったその忌まわしい場所で、私が再会したのは小学校の同級生・関谷だった。 私と舞の秘密の遊び。 そして関谷が私に告げた、あの日の真実――。

シリアスノベプラオンリー現代日本純文学年の瀬

評価・レビュー

静かな罪の記憶の物語。

 ネタバレには配慮した感想になりますが、真っ新な気持ちで読んだほうが受ける印象が鮮やかになる気がします。未読の方はぜひ感想よりも、作品のほうを。  三十歳を前にして札幌での仕事を退職した〈私〉こと滝本奈緒は、地元に戻った際に、町内の子供たちから「神社公園」と呼ばれていた公園を二十年ぶりに訪れる。人も寄り付かなくなって久しく、いまでは多くの遊具がなくなり、すっかり寂れた様子の町外れの公園で、〈私〉が思い出すのは、小学四年生の春に姿を消した舞のこと……というのが、導入。  誰にとっても偏愛を注いでしまうジャンルや作風がある、と思います。趣味嗜好が大きく関わり、どんな作品がそれに当たるのかは十人十色で、どれだけ似ていても、同じになることはほとんどないでしょう。私にとってのそのひとつが、過去の記憶と向き合う物語、ふいに訪れる過去からの罪と対峙する瞬間を描いた物語で、本作はまさにそんな作品でした。出会うだけで、特別な喜びに満たされ、それが私にとって面白いものならば嬉しくなる。  幼い日から続く罪の記憶、そして新たに知る秘密の共有によって、とめどなく溜まっていく心の澱が淡々と丁寧に描写されて、その静かなトーンは変わることなく、苦い余韻を残して幕は閉じていく。  あぁ、好きだなぁ、と喜び嬉しくなった作品を、今回は紹介させていただきました。

5.0

サトウ・レン