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作:歌川ピロシキ

卑怯で臆病な僕は血塗れの聖女を受け入れることができない

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最終更新:2021/10/18

作品紹介

 僕の婚約者はかつてセプテントリオの妖精姫と呼ばれていた。 銀糸のような癖のない髪に透き通った碧玉の瞳。 儚げな美貌に柔らかな微笑をたたえ、誰にでも穏やかに接する彼女は理想の令嬢、いや姫君だ。 彼女は僕の自慢の婚約者だった。  僕の身代わりとしてあの泥沼の戦場に彼女が行ってしまうまでは。 ようやく平和が訪れて、帰って来た彼女を僕は生理的に受け付けることができなかった。 何も映していないような虚ろな瞳。 周囲にピリピリとした空気をまき散らし、精神を削り取るような緊張を強いるあの眼光。 彼女の精神は今もあの戦場で泥の中を這いまわり、血と糞尿をすすってもがき続けているのだろう。  僕はそんな惨めな戦争の残滓を見たくなくて、その言葉に飛びついてしまった。 彼女を貶め、この世から消し去る事を正当化してくれる、あの根も葉もない噂に。 --------------- アルファポリス様にも掲載しております。 また、作中に出てくるフェレティング公女の手記10/20夜より連載します。 「幸福とは死者の群れの中に生者を見出すこと」 https://ncode.syosetu.com/n7827hg/ そちらも併せて愉しんでいただけると幸いです。 ------- 全10話、完結保障。 1万字程度の短い作品です。 最終話まで執筆済み。 登場人物の感情を描いている作品なので、軍の組織や作戦などはものすごく適当です。 戦車などについても作者は全くの無知なので、あり得ない勘違いなどがあれば教えていただけると幸いです。 関東軍の従軍看護師だった母の従姉の思い出や、今まで読んだり人から聞いた戦争体験がごちゃまぜに入っています。 どこかで聞いたようなエピソードがまじっていても生温かくスルーしてください<(_ _)> 基本的にバッドエンドです。 苦手な方は回避してください。

R15オリジナル戦記ヒストリカル架空戦記青春・ヒューマンドラマ追放聖女

評価・レビュー

人間の本質について深く考えさせられる物語である。

1 読む前の印象や予想など(表紙やあらすじなどから想像したこと) まずどうして彼女が身代わりになったのか? ということがとても気になる。 戦争に行ってしまうまでは自慢だった彼女を受け入れられなくなった主人公。しかしそこには愛も感じる。主人公はどんな道を選ぶのだろうか? 2 物語は(どのように始まっていくのか?) 真実は分からないが、主人公が婚約者を罵倒し屈辱的な言葉を浴びせるところから始まっていく。しかし主人公の言い分は自己中心的な嫉妬心や承認欲求であることが伝わって来る。保身のために他人を貶める卑しい行為であることが。主人公に対し味方をしたくならない物語というのはとても珍しい。一体どういう結末になるのだろうか? 3 良かったところ。印象に残ったところ。好きなセリフなど。 ・悪人のような主人公がとても印象的である。 ・因果応報。人は皆誰しも自分勝手なのだなと感じた。 ・ここに綺麗ごとは一切なく、彼女がどうして人形のようになり果てたのか、その理由についても明かされていく。 ・生々しい戦場の様子が分かり、それは人を守るため、自国を守るために”人”を犠牲にした人間の姿なのだと思った。 ・立場によって人は考え方や見方が変わるのだと改めて感じた。 4 物語についての感想 主人公の身勝手な感情から始まっていく物語だ。それが彼女の処刑の日の言い分により、王家の身勝手さも暴露されてしまう。物語の構成としては、このまま主人公の身勝手さが通されてしまうのではないだろうか? とハラハラする。この物語には学ぶべきことが多く、教訓になる部分も多くある。人は自分の言動に後から苦しめられることも多い。それは因果応報とも言えるし、身から出た錆とも言えるだろう。例えば日本で感染症が流行り始めた時に感じたことでもある。自分の身にも怒るかもしんれないのに、批判や差別をしていた人は多くいる。戦地に赴いた人たちに対する偏見も同じところ(人間の気質)からきているように感じた。 どんなに事実を伝えても、力のあるものに事実を捻じ曲げられることは多い。日本で第二次世界大戦の時がそうである。勝っていると国民に嘘をつき続けたという話は、授業で聞いたこともあるだろう。人は自分の利益の為に嘘をつく生き物であり、それを忘れてはいけないように思う。何故なら、この世には善よりも圧倒的に悪の方が多いからだ。それは故意でなくともそうなる。ネットで言えば、フェイクニュースを信じ拡散する人間に悪意はない。しかしそのせいで犠牲になった人もいるということ。何が正しくて、何が間違っているのか、きちんと自分の目で確かめなければならない時代でもあると感じた。話しがそれてしまったが。 5 物語のその先を想像して この物語へ想いについてはあとがきを参照していただきたい。 この物語はある国の衰退の一つでしかないが、何年経とうとも人は同じことを繰り返している。栄華を極めるのも、平和も、また滅びるのも人の所業。この国には未来はないのだろうと想像する。 あなたもお手に取られてみてはいかがでしょうか? おススメです。

5.0

crazy's7