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作: 新田漣

さよなら私のドッペルゲンガー

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未評価

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最終更新:2021/3/19

作品紹介

「なんとかなるでしょ、だって夏だし」 京都市内で一人暮らし中の高校生、墨染郁人は『ノリと勢いだけで生きている』と評される馬鹿だ。そんな墨染の前に、白谷凛と名乗る少女の幽霊が現れる。 なんでも凛はドッペルゲンガーに存在を奪われ、死に至ったらしい。不幸な最期を遂げた凛が願うのは、自分と成り代わったドッペルゲンガーの殺害だった。 凛の境遇に感じるものがあった墨染は、復讐劇の協力を申し出る。友人である深谷宗平も巻き込んで、奇想天外かつ法律スレスレの馬鹿騒ぎを巻き起こしながらドッペルゲンガーと接触を重ねていく――――。 幽霊になった少女の、報われない恋心と復讐心。 人間として生きるドッペルゲンガーが抱える、衝撃の真実。  ノリと勢いだけで生きる馬鹿達の、眩い青春の日々。 これは、様々な要素が交錯する夏の京都で起きた、笑いあり涙ありの青春復讐劇。 【書籍化に伴い、1月中に非公開となります。今まで当作品を支えていただき、誠にありがとうございました。】

日常恋愛ギャグコメディ現代日本

評価・レビュー

序盤は笑いが止まらないが、ある時を境に”存在”について考えさせられる物語。

【物語は】 衝撃の言葉から始まる。主人公たちにとってもそれは、衝撃的だったようだ。そしてその後の展開が、面白すぎる。人様に見せられないカッコで家に居た主人公の元へ、ある少女が乗り込んできたのだ。あらすじにもあるように、彼女はドッペルゲンガーに殺され、自分の人生を奪われてしまった。 冒頭では何故、依頼の相手が主人公だったのかまではわからないが、彼女は”自分を殺して欲しい”と依頼してきたのだった。 【登場人物の魅力】 ノリと勢いで生きている主人公がとても面白い。初めは、真面目という印象が強かった少女は主人公と話をしているうちに、高校生らしさが出てくる。主人公は学校ではバカで有名のようだが、お人よしという印象も受ける。そして少し、クレイジーな面もある。 だが、人に好かれるタイプであることは間違いない。二人はやり取りをしているうちに打ち解けていく。その中での二人のやり取りがとても面白い。物語の内容は暗いはずなのに、とても明るくユーモアのセンスがある。 しかしこれが、”人生を奪われた絶望”を抱える少女を元気にするためと考えると、やはり主人公は優しい人なのではないかと思う。 ノリと勢いとはいえ、”法律を犯すのは不味い”という感覚は持ち合わせているので、その点に関してははとても安心して読み進めることが出来る。きっと、最悪の事態にはならないに違いない。 【物語の魅力】 序盤は始終笑いの止まらない物語である。ドッペルゲンガーに人生を奪われたという暗く切ない物語であるはずだが、主人公の心理状態が絶妙で、つい笑ってしまう。恐らく言葉選びや表現の仕方が巧いので、笑いを誘うのだと思われる。スラスラ読める上、読む手が止まらなくなる。 真面目な文体で哲学的なことを語ったのちの、オチが面白い物語だ。例えば4話の冒頭。青春とは何かについて、”フムフムなるほど”などと思っていたら、オチがついてくる。笑いのセンスが素晴らしい作品である。 主人公はしばしば、幽霊の少女が自分にしか見えないことを忘れ、行動してしまうように感じる。そこから起きる出来事に、さらに笑いが起きるのである。真面目に作戦を立てて実行しているのだろうが、次から次へと巻き起こる出来事が面白い。 しかし、この物語はただ面白いだけではない。ドッペルゲンガーと接触したあたりから少し、違う面も見えてくる。ここまでは主人公の”好奇心”が勝っていた。しかしドッペルゲンガーに実際に接触し、主人公は”存在”について考え始める。果たしてこの物語の結末とは? 【物語の見どころ】 ある日突然、自分が自分に奪われたなら? 生きることを諦めても居場所を奪われたことは、やはり辛いのではないだろうか。自分はここにいるのに、自分の姿をした何者かが自分のフリをして生きていたとしたなら? 主人公はバカで実行力があるという理由により、ある少女から殺害依頼を受けることとなる。初めは”好奇心”とノリ、そこに後悔したくないという気持ちでこの少女の依頼を受けた。 彼女は自分と同じ高校生。やりたいことも夢もあったろう。序盤は笑いが絶えない物語という印象が強いが、彼は彼女の境遇のことも考えているように思える。それが、しっかりとした形になるのはドッペルゲンガーに遭遇してから。笑いにシリアスが混ざり始め、彼の言うことに”確かにそうだよな”と同意してしまう。 ドッペルゲンガーであれ、生活をはじめてしまったら存在を認められてしまっているという事。 自分を奪った自分を消して欲しいと願う少女は、最終的にどのような決断を下すのだろうか? あなたも是非お手に取られてみませんか? 笑いあり、そして深く考えさせられることもあります。 もしあなたが、少女の立場であったならどんな決断をしますか? お奨めです。

5.0

crazy's7

なんとかするんだよ、だって馬鹿だし

『ノリと勢いだけで生きている』と評される主人公の元に、幽霊の女の子がやってくるところから、物語は始まります。しかも美少女の。これには、パンツ一枚だった主人公もニッコリ。しかしお願いされた内容は、自分と成り代わったドッペルゲンガーの殺害。何やら不穏な頼み事でした。 しかしそこはノリと勢いだけで生きている主人公。一緒になって馬鹿をやれる相棒を引っさげて、何やら悲壮な思いを胸にしている幽霊の女の子を振り回し始める、というのが大まかなあらすじです。 もうとにかく、随所の言い回し、キャラ同士のやり取りが面白い。真面目な話かと思えば、必ずオチを用意しているという周到っぷり。それは各話ごとのタイトルですら笑えてくるもので、作者様のセンスが光ります。更には京都という街や、周囲の描写が簡潔かつ解りやすいものとなっており、気がつくと物語の世界に引き込まれていました。 最初は好奇心のようなもので突っ走っていた主人公ですが、幽霊の彼女について、そしてドッペルゲンガーについて調べていく内に、段々と考え方が、そして物語がその様子を変えていきます。私が最近習った言葉を使えば、ミッドポイント、というやつでしょうか。そこからの展開は切なく、最初の馬鹿っぽさは一体何処で迷子になってしまったのか、と思うほどの見事な上げての落とし方。そこから打開策を見つけ出し、奔走してのラストへの盛り上がり方。細かい伏線の拾い方が丁寧で、ラストの方はもう一気に読み切ってしまいました。 最後の方は、若干ウルっときてしまったのは、内緒ですよ。 笑いあり涙あり、そして時に考えさせられ、更にはスカッとすることもできる、そんな物語。読まないなんてもったいないですよ。 他の皆様も、是非読んでみてください。

5.0

沖田ねてる@_(:3 」∠)_

珠玉の逸品をどうぞ

話題になっていたので拝読。  !!!絶対に作品を読み終わってからこのレビューを読んでいただきたいです!!!  とにかくギャグセンスが素晴らしい!  私も書き手ですが、嫉妬に狂うを超えて、こんなに素晴らしい掛け合いを読ませて頂いたことに感謝しかありません。  「幽霊」×「馬鹿」×「馬鹿」が織りなす三重奏は、物語が進んでいくにつれて様々な伏線もキラキラと輝きを増し、壮大なオーケストラへと変貌します。  私の個人的な「ああ! こういうキャラを待っていた!」は、佐々木先生です。  まさに、ハリウッド映画に出てくる重要な名脇役! 深い理由を聞かずとも何かを察してピンチの主人公をサラリと助ける! カッコイイ!!  待ってましたよこの展開!!!!! です。  クライマックスで墨染が自転車で駆ける描写、突然の大雨、この描写も良かった! 上手く情景で心情を表現されています。  墨染の漕ぐ自転車のスピードとともに読み手も「早く!早く!」と読むスピードが速くなっていきます。  そして「ちくしょー! 土砂降りやめろ! 今すぐやめ! 邪魔すんなぁああああ!!!」と思いながら読んでいたら……。  敵大雨からの祝福の拍手。 ニクイ。 お見事です。  最後の「勘違い」は私も「あ、そうだった!」と騙され(?)ました。 作品の勢いと叙述トリック的な何かによって気づけなかった!  悔しい! ビクンビクン!!!  ハリウッド化マダー? キョロ━(゚∀゚≡゚∀゚)━キョロ?

5.0

つーちゃん「まおホス!」@小説家になろうノベプラたいあっぷ