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作:御堂ユウナ

追憶の

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未評価

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最終更新:2021/12/1

作品紹介

「きみが、しあわせでありつづけますように」 見知らぬ世界で目を覚ました少女・アリスは、ほとんどの記憶を失っていた。『悪魔』と呼ばれる不気味な化け物に襲われた彼女を助けたのは、治癒師の青年・カインツ。元の世界に戻れないことを悟ったアリスは、彼から戦う術を学び、この世界で生きていくことを決意する。 悪魔の脅威と世界に渦巻く陰謀、精霊をめぐる戦い、ひとびとの意志のぶつかり合い。 ふたつの世界の謎に翻弄されながらも、アリスは仲間とともに困難に立ち向かい、曖昧だった自分のこころを見つめなおしていく。いつかカインツのように『完璧』なやさしさを持つひとになれるように、そうして彼のとなりに立っていられるように。 しかし、彼女を見守り、支えつづけるカインツには、いのちに代えても守りたいと願う哀しい秘密があり――? ほんとうにひとを救えるのは、正しさとやさしさのどちらなのだろう。心理描写とキャラクター表現に重きを置いた、こころと救済にまつわる長編ファンタジー小説。

恋愛冒険女主人公ファンタジー異世界シリアス剣と魔法ダークファンタジー

評価・レビュー

心をどこまでも誠実に書き出したファンタジー&ヒューマンドラマ

美しい情景描写や展開の面白さはもちろんのこと、心理描写がとにかく丁寧な作品。主人公のアリスを筆頭に、キャラクターたちの心情が繊細かつ鮮明に、優しく、そして妥協なく描かれています。 もやもやとして詳しく言い表せない心情、喜怒哀楽の言葉だけでは言い表せない、あるいは言い切れない心情。この作品はそんな曖昧な部分まで見事に書き出し、キャラクターたちに血が通っていることや、彼ら彼女らが抱いている気持ちを強く感じさせてきます。それもあって物語への没入感はかなり高め。出てくるキャラクターの数は多いですが、書き分けがしっかりなされていて判別も付きやすく、一人一人の心に共感できる部分もあります。 しかしながら、物語が進むにつれ、キャラクターたちは残酷かつ悲惨な運命に翻弄されてしまいます。目を背けたくなる現実に切りつけられ、傷を負っていく彼らの姿に、思わず「もうやめてくれ」と震えてしまうかもしれません。けれど、筆舌に尽くしがたいことも、生々しい心の傷や流血も、容赦なく書き出されているからこそ、キャラクターたちを大事に思え、幸せになってほしいと心から願えます。 そんなキャラクターたちの言葉や見ている景色は、読んで感じてみてください。どこまでも誠実に書き出された叫びに、必ず心を揺るがされます。

5.0

葉霜雁景

記憶のない少女と優し過ぎる青年。その二人を取り巻く事件の数々。

記憶のない少女が青年と出会い、ゆっくりとした日常から始まるのですが、 途中からどんどん展開があやしくなります。 心情とそれを映し出すような情景描写が丁寧で、特に歌のシーンは文章で聞こえるはずもないのに子守歌のようなのが聞こえてくるかのよう。 私が読んでいるのはまだ途中なのですが、国も絡んで来て大ごとになりそうな予感がして続きを楽しみにしています。

5.0

lachs ヤケザケ

想いの旅路、ひとを形作るこころの姿

 優しい文体、それが第一印象でした。児童文学のように柔和でわかりやすく、囁いて来るような筆致に導かれ読み進められるのですが。語り部がどんなに優しくても、吟遊詩人が美しい調べに乗せたとしても、世界は残酷であると気付かされます。  主人公は記憶を失った少女、アリス。  ひっそりと暮していた優しい治癒師カインツと出会い、色々な出来事の過程、新たな人との出会いで経験を積み重ねていきます。  悪魔とは?精霊とは?この世界は?  数々の謎とアリス自身の真実を見つける旅路の中で、彼女がこの世界で得る経験を追体験していく物語。  それぞれのエピソードで、物語を彩る登場人物たちの感情が緻密かつ丁寧に表現されていて、光が影を作るように、憎しみの影には哀しみが。やさしさの裏には後悔が。相反するものが、何度も繰り返し打ち寄せてきます。  人は相手を上っ面で判断しがちですが、一人の人間の中には常に表裏一体でプラスの感情とマイナスの感情があり。この人はこういう人だなどと、一言で表現できるほど世界も人間も単純ではないと知る事となり、とにかく人物描写が深いの一言です。  葛藤や苦しみの救いとなる一筋の光明は、優しさなのか正しさなのか強さなのか。本当の意味での救いとは?  残酷な出来事に心をえぐられますが、えぐられたこそ掘り出される新たな感情への気づき。  これは、己のこころの姿を知る物語でもあります。

5.0

MACK

柔らかな文体が紡ぎ出す、やさしく、そして残酷な世界。

柔らかなものがたりの語り口。 そこから、非常に穏やかでメルヘンチックな物語かと思い読み進めると、大いに良い意味で裏切られます。展開は、残酷で、非情で、示唆に満ちていて。 けっして、口当たりの良い物語ではありません。 長い物語ですので登場人物がそれぞれ抱えた謎には容易に到達しませんが、 それらを丁寧になぞっていくストーリー展開が続きます。 ですので、まずはその文章の「誠実さ」を感じて下さい。 また、そのなかに何の伏線が隠されているのか、 一言も逃さぬよう必死に目に留めて紐解いて読もうという気持ちになります。 なので、是非ゆっくりじっくり読んで下さい。 そうしないとこの作品の魅力は減してしまうと思います。 そして作者の、この世界に込めた善と悪も、やさしさと非情さも、妥協せず、率直に表現してみせようとする姿勢に感銘を受けて下さい。

5.0

つるよしの