多重人格者の記録係
最終更新:2024/3/10
作品紹介
不慮の事故で亡くなってしまった英文事務の派遣社員であった羽島 花鶏(はねしま あとり)は、前世の記憶を保持したまま異世界へ転生。転生先は数多の種族の文字や文法の知識を備え、その知識を様々な機関で役立てている翻訳家的な一家の三兄弟の末っ子カナリアであった。 成人と認められ、働ける年齢である15歳を迎えたカナリアは冒険者ギルドが集う街 ケトウスで受付嬢兼様々な種族の冒険者の報告書の翻訳の仕事をし、安定した収入で何気ない日々を過ごしていた。 そんなある日、ヨタカと名乗る俺様な冒険者と出会い、『自分の冒険記録を書け』と半ば強引に彼の記録係をすることになる。 その日の夜、疲労困憊のカナリアは自分の家に帰らず、無防備にもヨタカの宿で一晩を明かす。 翌朝、カナリアが目を覚ます土下座で平謝りのヨタカの姿があった。そして、カナリアは謝るヨタカから本当の名前はアウル・メフィストフィルスであることと、彼が多重人格者で別人格たちと記憶の共有がされないため各人格に記録を取ってもらっていたが、ヨタカのように記録を取ること嫌う人格も何人かおり、代わりに記録をしている人を探すかを悩んでいたところ勝手にヨタカがカナリアの噂を聞いて、自分の記録係にしてしまったことを明かす。 この話を聞いたカナリアは、信じがたかったもののヨタカという人格に悩まされているアウルを少しばかり可哀そうに思い、彼の記録係になることを決意する。これは多重人格者の青年冒険者とギルドの受付嬢の少女のある種のラブコメである。
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