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作:雪乃かぜ

シーラカンスと黄色い潜水艦

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未評価

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最終更新:2021/12/20

作品紹介

二人組ロックバンド「イエローサブマリン」が解散してから約一年。元ボーカルの詩愛はひとり、ラジオDJの仕事をしていた。ずっと相棒だった元ギター担当、浅黄の帰りを心のどこかで待ちながら──。 しのき美緒様 主催「アドベントカレンダー2021」企画参加作品。12月20日を担当する作品です✨ https://estar.jp/users/129588319 ☝🏻しのき美緒さん https://estar.jp/novels/25879925 ☝🏻 アドベントカレンダー2021☆作品・索引 12月20日はね、なんとシーラカンスの日なのです!どうも世界ではじめてシーラカンスが発見された日らしい。シーラカンスって、泳ぐときに口を上に向けて空を見上げるように泳ぐらしいですよ!変なの!でも、ちょっと可愛らしいですよねꉂꉂ(>ᗜ<*) (Special thanks:しのき美緒様、トコダトコ様、はごろもとびこ様)

青春・ヒューマンドラマヒューマンドラマアドベントカレンダー

評価・レビュー

シーラカンスと黄色い潜水艦

出だしの1行目から惹きつけるものがありました。主人公の想い人である浅黄を体現した比喩も良かった。 物語全体の言葉の選び方が上手く、清涼感のある水の流れを感じさせられ、その世界観に引き込まれ読み出したら最後まで一気読みでした。切なさと愛おしさがふんだんに盛り込まれている。起承転結の転に当たるシーンも感動的で胸に迫るものがありました。心温まる物語。8000文字という短編ですが読み応えあり、読後感もとても良い素敵な物語です。

5.0

asato umi

空白が幸せを醸す

 冒頭から、詩愛(しいら)はひとりでいる。  彼女の隣、もしくは向かいに座るはずの浅黄(あさぎ)は思い出の中にしかいない。待っている彼女の立場で言えば、そこに誰も立ち入れない大きな空白だけを残して逃走中なのだ。  出会った時のエピソードや、成功していく過程、彼の失踪など、ラジオの進行に沿う形で、詩愛の回想が差し挟まれる。その中で、浅黄は天才であるが故に、自分の思い通りではない環境の変化に対応することが出来ず、潜水艦を降りたことが語られる。  だがシーラカンスはひとり、耐えて待った。耐えられることが彼女の強さであり、待っていられることが彼女の愛の大きさを伝えてくれる。  この話をキリストが語った「放蕩息子」のたとえ話と重ねるのは、いささかうがち過ぎかもしれない。だが失踪(=放蕩)の末の悔い改めと、迎え入れる側の愛と赦しの大きさは、やはり多くの共通点があるように思う。  私は最初、浅黄は心が弱く、詩愛の脇に空白だけを置いて逃げ出した無責任な男と感じた。だが彼は、ただ弱いだけの人物ではなかったのだ。  もしかすると彼は、詩愛の抱く愛の大きさが見えなかっただけかもしれない。失踪中、彼自身も空白を連れ歩いて、やっと置いてきたものの尊さに気づいたということはありうる話だ。  遠く離れて時間を置いて、それでも彼女が待っていると知り、浅黄は心を決めて戻ってきたのではないか。ぽっかり空いた空白を彼自身と、彼の持つ愛情で埋めるために。  イエロー・サブマリンは再び走り出す。その行く手には祝福が待っているだろう。空白に注ぎ込んでいた愛情を、これからはお互い相手に向けることが出来るのだから。

5.0

はやくもよいち

イエローサブマリンは大冒険の歌で戦いの歌

二人組のロックバンド、イエローサブマリンは浅黄の天才と詩愛(シーラ)の声で破竹の進撃を続けてきた。はずなのに……詩愛は浅黄から突然の終わりを告げられる。 詩愛は「自分は相手との接し方を間違っていたのではないか」と自分を責めて、ただ浅黄を待ちながら毎日を過ごしていた。 失ってからわかる相手の大切さ。見て見ぬふりをせずもっと踏み込んでおけば、浅黄を失わずに済んだのではないか、という苦い後悔が詩愛を苛む。 そんなときにラジオに届いた1通の手紙が詩愛を行動に駆り立てる。 自分と他人と。ついつい距離をとったり、かかわるのを避けたりするけれども、一歩踏み出せば全く違う景色に出会えるのかもしれない。 「くよくよ悩んでないで行動してみよう、そうしたら何かが変わるよ、必ず。」 そんな作者さまからのあたたかいメッセージが聞こえてくる。 元気が倍増してすぐに大冒険に繰り出したくなるような作品でした。もちろんBGMはビートルズのイエローサブマリンで。

5.0

しのき美緒@BEKKO BOOKS