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作・たびー

犬と老女と映画館

point_star point_star point_star point_star point_star 5.0

【作品紹介】

長い宇宙探索の果てに帰還した宇宙船は、地上で大破した。無事だったのは、犬の体に移植された「男」だけだった。 犬は廃墟で出会った老婆の願いを叶えてあげようとする。 それは最後の道行きだった。 ディストピア/SF ※ ステキブンゲイ、他サイトでも公開中です。

近未来 SF 短編 ロボット ディストピア 老女

投稿されたレビュー

『記憶』がないことと『想い出』がないことは、決してイコールではない。

 人類は衰退の一途を辿り、荒涼とした世界に変貌した地球。  機械仕掛けの『犬』は、いまにも死んでしまいそうな『老婆』の願いを叶えるため、共に短い旅路を往きます。  どうして犬なのか。  どうして老婆に出逢ったのか。  どうして共に行動したのか。  どうして映画館なのか。  どうしてーー  一つずつ『どうして』という種が蒔かれ、丁寧に水を与えられて、それらが芽吹いた瞬間に気づいた事実に息が止まりました。  そして同時に、涙も溢れました。  犬がなにかに導かれるようにして向かった場所の意味。  老婆がずっと大切に持っていた物の意味。  ラストシーンは、魂が震える一つの絵画を見たかのように錯覚しました。  すべてが分かった上でもう一度読めば、最初に感じた景色と違ったものが見えるかもしれません。  すべてが儚くも美しい、心に残るSF短編です。 ◆  オノログ内で他の方々のレビューを拝見し、出逢えた素敵な作品です。  わずか5500字ほどの短編ながら起承転結が上手く、するりとその世界観に惹き込まれます。  台詞が少なくとも伝わってくるものがあり、むしろ台詞が少ないからこそ良いのだと思いました。  この物語の『核』となる部分を理解した瞬間から、私は涙が止まりませんでした。  もともと涙もろいこともありますが、この犬と老婆の旅路を鮮明に思い浮かべることができたからこそ、涙が溢れ出たのです。  とても強く、心に残る素敵な一作でした。

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mochi*(読み専)

作品の評価分布

5.0~

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4.0~

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3.0~

0

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1.0~

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未評価

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