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作:梨鳥 ふるり

きんきらきん

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未評価

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最終更新:2018/6/22

作品紹介

仕立て屋のお袖と呉服屋のおきぬはどちらも美しく、仲睦まじく育った。 お袖の兄辰二郎とおきぬの結婚が決まり、ますます姉妹の様に仲を深めるお袖とおきぬ。 しかし、その年の秋祭りの夜に辰二郎が姿を消した。 不可解な謎を残し、婚約者を失ったおきぬも、ある決断をしお袖の傍から姿を消す。 大切な人を二人失って、失意の中にいるお袖をなんとか救おうと両親はどこか良家への嫁入りを強く勧めるが、お袖は乗り気じゃない。けれどもある時急に「刃物屋となら結婚します」と言い出した。 ※多分五話くらいのあっさり中編となります。お気軽にお寄りください。 ※江戸時代ですが、舞台は江戸ではありません。

シリアス時代小説青春・ヒューマンドラマ歴史・時代羨望多分江戸時代若殿様

評価・レビュー

「きんきらきん」にまつわる様々な痛みを描き出した切なく美しい物語

きんきらきん、という無垢なイメージの言葉が、けれど、これでもかといういたみを伴って発せられるその感じに、心をつかまれました。 きらきらしているものを羨み妬む心のやり切れなさが、ものすごい破壊力を持っていて、最初に「きんきらきんだねぇ」と口にした、擦り切れたわらじを履く名前もない男の心に、ひどく気持ちを揺らがせられたように思います。 だからこそ、物語の中で起こってしまった悲劇にも、ただ犯人が憎いと言うよりももっと、複雑で悲しいような思いがわいてきて、やはりやりきれない。 ストーリーは、途中復讐の方向に向かうのかとも思わせつつ、そうはならないところが、個人的にはポイントなのかなと思いました。 恨みを晴らす、というありがちな方へ向かわずにも、読み手を満足させる仕掛けがなされていたと思います。 そして、最初に差し出された「きんきらきん」にまつわる色んないたみを、最後までずっと大事にされていて、きんきらきんであることも、きんきらきんを外から眺めることも、どれも辛いのだということが、広い視野からよく表現されていたと思います。 そして、それぞれのいたみをいとおしむようなラストは心が震えるようでした。

5.0

ぞーいー