めぐりの星の迷い子たち
最終更新:2019/1/21
作品紹介
月コロニーへの人類移住計画が完了し、荒地と化した地球に、なおもそこで生き続けることを選んだ者たちがいた。 砂嵐と噴煙に塗れ、疫病の蔓延る不毛の大地で、何が人々の希望となり得るか。 ■ ■ ■ 双子の妹と共に半陰陽の身体で生まれたことにより、『神の化身』と崇められる少年・ナギ。 家族を捨てて姿を消した父親を憎む彼は、ある日キャラバンの巡行に誘われて旅立ちを決意する。 月コロニーで禁を犯し、地球へと追放された植物遺伝子学者の青年・トワ。 かつて地球から月へやってきた友人と交わしたある約束を果たすため、彼は遠い地を目指す。 村人たちに疎まれながら、病気の母と二人で暮らす孤独な薬草師の少女・サク。 神を信じない彼女が出会ったのは、『神の使い』とも言われる異国からの賓(まれびと)だった。 二つの朽ちた鉄塔が、地球と月とを結び付ける。 生まれも育ちも異なる三人の運命が交わる時、荒れ果てた大地で奇跡が起こる。