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作:ドンキル

再生 ~過去からの手紙~

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最終更新:2021/7/5

作品紹介

「誰かに必要とされている」と実感したかった。 誰よりも活発な少年であった寺坂明夫は八年の時を経て絶望の淵に立つ。友達に恵まれ、最大級の愛情を注がれて育った明夫は如何にして自分を失ったのか。生きる意味をひたすらに探し求めていた彼が、見つけ出したものとは…。 初めて小説を書いてみました。読んで頂けると嬉しいです。

男主人公短編友情小学生純文学手紙

評価・レビュー

【完結】心情描写巧みな短編作。心穏やかな一時間を過ごしたい方にオススメ。

全18話 31,615字 読了まで約1時間 文章力はかなり高いです。文芸寄りの文体です。 活き活きとした心情描写に引き込まれます。 現代人的な苦悩をじっくりと描いていますが、読み口は爽やか。 人称すらも効果的に使ってみせた、配慮の行き届いた作品です。 以下、詳細をレビューしていきます。 舞台は現代日本。主人公は何をやってもうまくいかず、そんな自分を卑下し続けている男性です。彼は小学生の時に起きた悲劇の影響で、人生の歯車を狂わされてしまいました。 本作は断片的にしたためられた主人公の未来、現在、過去のピースを眺めながら、彼の境遇と苦悩に思いを馳せる作品です。都会と田舎、現在と過去、現状と憧憬、これらの対比が温度感を伴って表現されており、主人公の心情にすんなりと近づけます。 主人公は卑屈であるものの、善良な人物であり、自然と応援したくなるキャラクターです。悩み事を克明に描いていますが、そんな主人公が嫌で読書が止まるということは無いと思います。 反面、全てが整然として美しく、読み物としての起伏には乏しいです。もちろん、これは優れた美点でもあり、ある一人の人間を純粋に描き切っていると言えます。 文章力も非常に高く、引っかかりがほとんどありません。個人的には"蚊"のくだりと、反復表現のうまさにぞくりときました。 この作品では時折一人称と三人称が入れ替わるのですが、いつかの三人称には羨望を、いまの三人称には希望を感じて心に響きます。この表現は素晴らしかったです。 多分、誤字脱字はありません。ですが、改行が少なすぎて見辛いところが多く、せっかくの文章が単調に感じられて残念です。 以上、しみじみと読書に勤しみたい方に強くオススメできる作品です。心穏やかな一時間を過ごせるうえ、清々しい読後感も得られると思います。

4.5

tatsukichi