快傑令嬢
最終更新:2024/4/3
作品紹介
心優しき伯爵令嬢リルルは王都の悪しき霧を払うため、エルフの魔法のメガネで薄桃色のドレスの剣士『快傑令嬢リロット』に変身し、正義のレイピアで陰謀に敢然と立ち向かうのです! 伯爵令嬢リルル、エルフのメイド・フィルフィナ、彼女たちに恋され愛される少年騎士ニコルの冒険譚! [完結作品] 三百万の人口を抱える王都エルカリナ。その巨大都市にはびこる悪を斬り裂く、素顔を隠した薄桃色のドレスの令嬢――正体を明かさぬその謎の少女を人々はいつしかこう呼んだ。『快傑令嬢リロット』と。 心優しき伯爵令嬢、リルルは双子同然に育った少年騎士ニコルと相思相愛の仲。しかしニコルは騎士修業のために離れた地に移り、二人は二年の間顔も合わせることもできず、恋文だけで互いの想いを交わすだけだった。故あって彼女に仕えるメイド――その実はエルフの里の王女であるフィルフィナはそれを静かに見守る。 そんな、十六歳で成人したリルルに父のログトが婚約話を持ってくる。伯爵家としては零落し没落したフォーチュネット家を立て直すための政略結婚。全く気乗りせず、さりとて断ることもできないリルルは面会式で会った婚約相手、侯爵の子息であるバリスの端正な貴公子ぶりに心揺らされる。それでもニコルへの思慕を捨てられないリルルに、当のニコルの祖母が井戸に投げ込まれた毒に当たって重体に陥るという事件に遭遇する。 ニコルの祖母が力尽きる前に犯人を探し、解毒の方法を突き止めなくてはならない。警察関係にコネがあるバリスの協力も間に合うとは思えずタイムリミットが迫る中――リルルは決意する、もう一つの自分の顔『快傑令嬢リロット』となって自らこの事件を解決すると。 快傑令嬢となって犯人のアジトを急襲するリルル。雑魚たちをムチとレイピアで薙ぎ倒し、用心棒を蹴散らして追い詰めた黒幕――その正体はリルルを唖然とさせる人物だった。