終楽章は紅薔薇を添えて🌹

　食べることが大好きな、首都トウキョウに憧れる蒔絵師の葵。印象の薄い顔だが、メイクをすると誰もが振り返るような美貌の持ち主となる。 　なかなか婚活が上手くいかない葵は、実家での生活がしんどくなり、トウキョウでの１人暮らしを考え始める。 　ある日、「棺コーディネート華菱」という、丁度蒔絵師を募集している都内の企業の存在を知る。 　採用された葵は、社長である華菱 麗に契約結婚を提案される。 　彼は常に薔薇と手鏡を携帯する、とんでもなく救いようのないナルシストだった。 　驚くべきは、それだけではない。 　仕事内容には蒔絵師として創作に励むだけではなく、ミナト区役所幽霊保護課黄泉送致係の職員としての特殊業務の兼務も含まれていたのだ。 　予想外のことが次々と起こりまくる葵の運命や如何に？ 　仕事にプライベートに奮闘する人々の、風変わりだけれども、どこか共感できる物語をお楽しみください。