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作者:倉紙たかみ
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書籍化
コミカライズ
作:倉紙たかみ
魔王討伐の旅の途中、主人公のカルマはパーティから戦力外通告を受けて、交易都市クレアドールへと置き去りにされてしまう。 だが、そのリストラは優しさに満ちたものだった。 手切れ金として使い切れないほどの資金。宮殿クラスの家屋に大勢のメイドや召使い。生活に困らないよう、近隣の企業や店も買収していってくれていた。 『あいつら、俺のこと好きすぎるだろ……』 パーティのリーダーは、カルマの姉――勇者フェミル。子供の頃からの凄まじいブラコン。現在進行形でカルマを甘やかしたくて仕方がなかった。凜々しく美しい姫騎士イシュタリオンも、カルマのつくるご飯が大好きで好意を抱いている。ツンデレな賢者リーシェも、努力家のカルマのことが好きでたまらない。断腸の思いでリストラしたのだろう。そもそも、カルマは強い。ギルドではSランク判定を受けるほどの実力なのだ。チート級に強い姉たちのせいで霞むだけなのである。 しかし、姉の気持ちを察したカルマは、自分が町でぬくぬくと暮らすことこそ、姉ちゃんたちが安心して旅を続けることができると思い、この贅沢な環境を受け入れることにする。 ――だが、勇者フェミルたちは、カルマ離れできないでいた。 旅の最中、カルマに会いたい衝動に駆られる。なにかと理由を付けて、彼女たちは町へと引き返してしまうのである。カルマを甘やかすため、屋敷の改築に私兵団の結成、さらなる企業の買収、交通網の整備などの内政を行い、なかなか旅に戻ろうとしない。 ひたすら発展していく町と、自分の生活環境を眺めて、カルマは思う。 ――このままでは魔王討伐ができない。俺のせいで世界が滅びる。 旅に戻ってもらうため、カルマは甘やかしを振り切って、姉たちを町から追い出そうとするのだった。
更新:2021/9/28
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