北の果てでは雪の女王という女神様が冬を治めていらっしゃいます。 女王様の氷の宮殿に仕えるのは、凍えた子供、冷たい川で溺れた狐、雪崩でバラバラになった鴉など。雪と寒さで死んだ者たちも、雪の女王の御許(みもと)ならば安らかに過ごすことができるのです。 ところが、ちょっと変わったしもべもいます。女王様が最近迎えた従者、美しい人間の若者は、元の世界を忘れていないようなのですが――
更新:2015/12/25
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子供の頃、チョウの交尾を見たんだ。初めて見たから最後まで見ちゃってさ。終わった後、一匹が俺の方に飛んできてさ――何か、つい、捕まえて蜘蛛の巣に掛けちゃったんだよね。 バーの片隅で、ナンパ相手にした昔話。それが恐怖と激痛の引き金となってしまう。子供の頃に弄んだ命。堕胎された赤ん坊。生まれなかった命が生まれようとする時、求められるのは他の命の犠牲だった。 カクヨムにも掲載しています。
更新:2017/6/25
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高い壁に囲まれて、王様がいらっしゃる高い塔に見守られて。この国では人々は何不自由なく暮らしています。でも、この年の冬はなかなか終わらなくて、雪が降り続いてみんな困ってしまっています。 冬を終わらせるため、そして褒美に願いを叶えてもらうため、ある若者は塔へ向かうのですが―― *冬童話2017参加作品です。
更新:2017/1/1
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君のような若者には信じられないかもしれないが、私の若い頃というのはそう悪い時代でもなかった―― 老人が学生に語る、戦争時代のある夏の思い出。友人が打ち明けた家の中の不審な気配。様子のおかしい大人たち。平和学習の息抜きのような、何気ないあの時代の一幕のはずだったのだが―― *注意*感想欄に本編の重大なネタバレがあります。
更新:2016/7/31
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口から無数の蝶を吐き出して死ぬ、という奇病に怯えるようになった世界。犠牲者の筋肉や内臓を食い尽くしたかのように、蛹のような人の殻だけを残し、煌く鱗粉を撒き散らして飛び去って行く蝶の群れ。 降り注ぐ鱗粉に人は怯え――やがて慣れた。交通事故や病気や老衰の他に、死因がひとつ増えただけ。鱗粉予報を毎朝見ながら、誰もが当たり前に生活している。そんな世界で蝶に憧れる彼女の話。
更新:2017/6/14
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「雪が見たいわ」 お姫様がそう言いだして、大臣たちはとても慌てて困ってしまいました。 だってお姫様は炎を操る竜のお姫様で、ここは雪の降らない砂漠の国。しかもお姫様は魔物や盗賊から国を守ってくれる頼もしい方ですが、ご機嫌が悪くなると何でも燃やしてしまう怖い方でもあるのです。 困り果ててしまった大臣の前に、不思議な水晶玉を持った魔法使いが現れるのですが―― *冬童話2017参加作 *共通設定は使用していません
更新:2016/12/18
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きりきり、きりきり。私の一日はアデルお嬢様が発条(ぜんまい)を巻く音で始まる。 「おはよう、グレイス」 「おはようございます、お嬢様」 没落した名家の令嬢のアデルと機械人形のグレイス、二人だけの日々。和やかなその暮らしにも、やがて終わりが訪れる。
更新:2017/12/29
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アウシュヴィッツ強制収容所には囚人を集めた音楽隊があった。 労働に向かう囚人を励まし、新たに輸送された人々を歓迎した陽気な音楽。 そんな音楽を奏でた男の最期の話。 差別的表現が多数含まれますが、時代および語り手の背景を考証した結果であり、作者の思想とは関係ありません。ご了承ください。 エブリスタでも公開しています。
更新:2015/3/14
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