まさか五十をいくつも過ぎてから小娘のように恋に振り回されるなんて、思ってもみなかった――サイボーグ化も生体部品との交換も、とっくに一般庶民の手に届くお値段になったこのご時世にあって、偏屈女と言われながら、これまで頑なにアンチ・エイジングを拒んできた。年相応の分別を持たず若作りにいそしむ女性たちを、頭から軽蔑してさえいた……それだというのに。/自サイト等にも掲載しています。
更新:2016/2/21
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「父ちゃんがなんとかしてやる」というのが父の口癖だった。母は父親のわからない娘をふたりも産んでおいて、それをほかの男に押しつけて逃げるような女で、わたしと妹はそれ以来、血の繋がらないこの若すぎる父親のもとで暮らした。まるで最初から父娘三人の家族だったかのような顔をして。/他サイトにも転載します。
更新:2019/8/11
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生きることに楽しみなんか必要ないと思っていた。手放せないほど大事なものなど、何も持たずにやってきた。誰のことも必要とせずに生きていきたかった。――はなから無理なことだと、自覚もしないで。 面倒くさい中年男と面倒くさい女の、いい年をして中学生のような臆病な恋。 ※ 自サイト等にも転載します。
更新:2016/9/7
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いつになく雨のない日の続いたある午後、コダは河辺で一人の子供を拾った。痩せこけてみすぼらしい少年は、洗うと見違えるように美しくなったが、目を覚ましても茫洋としたまなざしで宙を見つめるばかりで、まったく口をきこうとしなかった。/自サイトからの転載になります。
更新:2013/5/6
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AI工学の発展に伴い、戦場からは人の姿が消えた。自律型AIが軍用機を操り、人間のかわりに戦う時代。濃紺に澄み渡る高高度の空に、いま、一機の戦闘機が舞いあがる。 空想科学祭2011、RED部門参加作品。自サイトにも転載する予定です。
更新:2011/8/1
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全国民にDNA情報の登録が義務づけられて五年。ニュースでは犯罪検挙率が上がったとか言うけれど、ぜんぶ自分とは関わり合いのないことだと思っていた。 取り返しのつかないこと、というのが世の中にはある。これは、そんなこともわかっていなかった、救いようもなく馬鹿だった七月のわたしの話。 /「あなたのSFコンテスト」(http://yoursf.tiyogami.com/)参加作。/後日、自サイトにも転載予定です。
更新:2014/7/27
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猫の王様は働かない。なぜというなら王様だからだし、猫だからだ。ときは未来、人々が探査船に乗り組んで広い外宇宙を行き来する科学の時代にあって、忘れられた魔法の逆襲が始まった。厳重なセキュリティをすり抜けて航行中の宇宙船に忽然と姿をあらわし、乗組員を全滅にいたらしめることさえある魔法のねずみ。かれらに対抗するため、宇宙船には猫をのせることが定法となった。/自サイト等にも転載しています。
更新:2016/10/9
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「きみたちはどうしてそう従順なんだ」――苦々しく、彼はいう。身を削って持ち主の望みをかなえることを喜びとするアンドロイドたち。その献身を受け入れ難いという彼。人間とAIのあいだの壁。 自サイトからの転載になります。
更新:2011/7/20
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いいたいことはそれだけか、と彼はいった。あたしに銃口をつきつけながら。 戦闘用アンドロイドである主人公と、少年のころから彼女が育てて一人前に仕上げた男。愛する者に銃口をつきつけられながら、彼女が微笑むそのわけとは。 自サイトからの転載です。
更新:2011/7/22
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