ティーゼ・ノーティックは五年前にノーティック公爵夫人になった。けれども夫であるイアンは五年の間一度も家には帰って来ず、結婚式もしていないから、顔を合わせたことは一度もない。ティーゼはもともと借金のかたに嫁いできたから、文句は言えない身分であるが――、いい加減我慢の限界だった。花の盛りは短いのである。一度も帰ってこない名ばかりの夫に操を立てて、一生を棒に振ってなるものか!借金のかたに嫁いできたのだから、借金を返せば晴れて自由の身になるはずでしょう!?ティーゼはなんとか借金を返して旦那様と離婚成立させようと考える。一方、五年間妻を放置していた夫イアンにも、妻には言えない秘密があって――
更新:2021/8/14
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「オーレリア、兄が死んだ今、この家はわしが継ぐべきだ。そうは思わんか?」。家族を馬車の事故で失ったばかりのオーレリアの元に、叔父が来てそうのたまった。この国には女では家を継げない。このままだったら大切な家を奪われてしまう。オーレリアは絶望したが、幼なじみのラルフから結婚すればいいのではないかと言われて思い直す。そうだ、急いで結婚すればいい。そうすれば叔父に家を奪われることもないはずだ。オーレリアは考えた挙げ句、恋愛感情はないけれど昔から優しくしてくれているギルバートに求婚してみようと考える。 一方ラルフはオーレリアに片想い中で…。
更新:2022/3/16
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数百年前と同じの災厄が世界を襲うらしい。「王子のラブラブパワーで魔女っ子に世界を救ってもらいなされ」という巫女のババァのふざけた予言のせいで、世界最強の魔女が暮らす極寒の地へ向かった王子フランシス。だが、魔女の家にたどり着く前に力尽きかけた彼だったが、腹をすかせたその魔女アメリアが食材と間違ってフランシスを魔方陣で召喚した。おなかすいたーと騒ぐ彼女のためになぜか料理を作ってやることになったフランシスは、腹を満たしたアメリアに災厄から世界を守ってくれと頼むが――。 ※アルファポリス様にも投稿しています。
更新:2020/6/10
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ラビットの前世は一個の懐中時計だった。十年前、スラム街の路地で野垂れ死にかけていたラビットを拾った彼女に「ラビット」と名付けたのは、酔狂な伯爵ウィルバード。それから十年。十七歳になった彼女は、その酔狂な伯爵に一つの時計店を任されていた。ある日、ラビットの店に訪れたウィルバードの友人ドルバー教授は、一つの懐中時計をラビットに手渡す。前世が時計だったせいか、ラビットは時計たちの「声」を聞くことができると言う特技を持っていた。ドルバー教授に渡された銀色の懐中時計は、自殺したという子爵令嬢ナターリアのものだった。時計がラビットに見せるのは、生前の彼女の恋人と思しき男の姿。ナターリアは本当に自殺だったのか。時計はラビットに何を伝えようとしているのだろうか。 前世が懐中時計の少女と、十二歳年上のわけあり伯爵の、ミステリー×ラブコメディです。
更新:2020/11/13
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五歳のときから塔へ幽閉されて、悪魔の生贄にされることが決まっているわたしシェイラ・エスリール。生贄の儀式の日、兵士たちに泉に沈められそうになっていたわたしを助けたのは、魔王と名乗るとてもきれいな男の人だった。魔王様はわたしを抱き上げて笑い「まさか聖女を拘束して魔王の生贄にささげるなんてな」って言って……ん? 聖女? お父様は真っ青になって腰を抜かしちゃうし、聖女の守りがなくなったから国は悪魔に侵略されるって――、しかもわたしは生贄ではなくて花嫁らしいし、もうわけわかんない! まあともかく、さようなら皆さま! わたし、聖女らしいけど悪魔の花嫁だそうです! ※アルファポリス様にも投稿しています。
更新:2020/7/10
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「カトリーナ・アッシュレイン侯爵令嬢。まことに遺憾ながら、この度の王太子殿下との婚約は、白紙に戻させていただく運びとなりました――」 カトリーナは、恋愛小説を読みながら妄想に浸るのが大好きな侯爵令嬢。ある日、彼女は王太子レオンハルトから一方的に婚約破棄を言い渡される。しかしカトリーナはちっとも落ち込まず、自由恋愛万歳と、十二年前の初恋の人との運命の再会を夢見る始末。 そんなある日、カトリーナは十二年前の初恋の彼の特徴によく似た青年と出会う。 一方レオンハルトは、仮面舞踏会で恋に落ちた少女を探していて―― ※アルファポリス様、カクヨム様にも投稿しています。
更新:2020/8/21
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「この場で殺されるか、誰も住まぬ『忘却の大地』へ流刑にされるか、好きなほうを選べ」。砂漠の王バーミリオンは祈りの間で祈っていたエリーゼに向かって冷ややかに告げた。エリーゼが聖女として暮らしていた国ウェーダルはバーミリオンに乗っ取られたのだ。エリーゼは忘却の大地と呼ばれる孤島に追放される。忘却の大地にある、今や見る影のない大樹の躯ーー。エリーゼはそこで、自国の王子であり、聖女に選ばれるまで婚約者であったロベルト王子の冥福を祈った。その直後、大樹は強く光り輝き、忘却の大地に命が宿るーー。 一方、聖女を失ったウェーダルは、滅びの道を進みはじめて…… ※アルファポリス様にも投稿しています。
更新:2020/8/7
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五十歳も年上の旦那様と結婚したわたし、ベルイヤ・バロークは、三日前、旦那様を埋葬した墓地で女神像を蹴飛ばしていた。「旦那様に会いたい―――!」泣きながら女神像に八つ当たりしまくっていたら、「もう我慢できない! そんなに会いたきゃ会わせてあげるわよ! だからもう二度とわたしの安眠を妨害しないでちょうだい!」ってイライラした女神様の声が。気がついたらわたしは四十年前に飛ばされていて、目の前には三十代の旦那様の姿が!最愛の旦那様がそこにいるも、まさか未来のあなたの妻ですとは言えずに――。
更新:2020/11/20
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