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作者:凡仙狼のpeco

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作:凡仙狼のpeco

鬼神の再来〜対【異界の門】特殊部隊『冒険者たち』による異常排除手順〜

 所属していた冒険者チームのリーダーから、一本の電話がかかってきた。 「花立だ。……自分がクビにした相手に、何の用だ?」 『クビにした覚えはないといつも言っているがな。仕事を一つ頼みたい』 「何だ?」 『迷子の子猫を預かってくれ』 「他を当たれ」 『報酬は払う。一人前になるまで保護して面倒を見てほしい』 「自分で飼え」 『マンションのオーナーが、自分からペット禁止の規則を破るわけにもいかないだろう』 「……どこに行けばいいんだ?」 『近くのコンビニに来てくれ。ついでにちょっとした用事を言付けておく』 「言付け? お前が来るんじゃないのか?」 『行けば分かる。じゃあな』 「おい! ……ちっ。相変わらず勝手な奴だな」  そうして呼び出された先にいた少女は【異界の門】から現れる魔物と、欲に目が眩んだ人間から命を狙われていた。  彼女を保護した、かつて〝紅蓮の鬼神〟と呼ばれた最強の魔物狩りは、少女との日常を守るために最前線に返り咲く。

更新:2019/7/7

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作:凡仙狼のpeco

仮面舞闘士シンデレラ〜硝子の双剣使いと青髪王子の輪舞〜

   むかしむかし、ではなく、ちょっとだけ昔。  あるお屋敷に、ゼゾッラと呼ばれる結構勝ち気な公爵の娘が住んでいました。  彼女は、王子の許嫁。  美しくも愛嬌のある顔立ちをした彼女は、剣聖と呼ばれる腕前の父と精霊使いの母に愛され、幸せに暮らしていました。  ですがしばらく経ったある日、病を患った母が亡くなり、父親が、後妻を迎え入れました。  同じく夫を病で亡くした、かつて『氷の剣姫』と呼ばれた義母は、二人の娘を連れて共に暮らし始めます。  しかしその後、隣国へと出かける途中。  ゼゾッラは馬車ごと谷底に落ちて、父と共に亡くなってしまいました。  その葬儀が終わって、数ヶ月。  後妻と二人の娘が遺された屋敷に、一人の侍従が姿を見せるようになりました。  いつも灰に汚れた長い髪で顔を隠し、みすぼらしい服装をした彼女は、義母と二人の娘の身の回りの世話をしていると言われていましたが。  何故かほとんど、お屋敷から出ることを許されていないようでした。  義母と二人の娘は、彼女をこう呼んでいました。  ーーー『灰被り』、と。  その少女を冷遇する後妻と、二人の娘。  許嫁の死が、何者かの陰謀ではないかと疑う王子。  剣聖が持っていた地位を継いだ弟の、現公爵。  思惑入り乱れる、今宵。  顔も知れぬ者同士が剣舞の美しさを魅せ合い、強さを競う王家主催の『仮面舞闘会』が開かれます。  その最中、王子の前に姿を見せたのは、灰色の仮面を被った細身の舞闘士。  剣聖の血筋にしか操れぬ硝子の双剣を振るう者に、王子は剣を掲げます。 「私と踊っていただけますか? ーーーゼゾッラ」  問いに答えぬ灰仮面と、青髪の王子の輪舞。  決着がつかぬまま、十二時の鐘が鳴り。  その、残された硝子の双剣の片割れを王子が手にし、持ち主を探すお触れを出した時。  ーーー十年前の謎の扉が、音を立てて開くのです。  

更新:2020/12/21

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