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作者:桃巴

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作:桃巴

籠の姫

大国の争いが小国クツナに飛び火した。 「さあ、始めよう! 惑いの森を進め! 姫を拐った国が勝国であるぞ!」 惑いの森をいち早く進み、姫を拐った国が勝国となる。そんな馬鹿げた競い合いを小国クツナは受け入れるしかなかった。 クツナの姫サラは、惑いの森を抜けた塔にたった独りで残る。塔は『籠の塔』。王は南国一の歌声を持つサラを小鳥に見立て、 「籠の中には、南国一のさえずりが入っています。欲しい者には差し上げましょう。大陸一の嗜好品です。最強な王子方、是非見せてください、惑わぬ姿を。あの籠の塔を登る勇気を」 と宣言した。 王が築いた塔は、石造りの土台の上に竹を編んだ大きな部屋が載っている。鳥籠のようなその部屋に、王の娘サラ姫が入った。そうして王は、小鳥を奪い合うため競う大国を皮肉ったのだ。 競い合いの末サラは北方暴君の国に拐われていく。だが、物語はここから始まるのだ。惑いの森をいち早く抜けた青の王子と、塔をいち早く登った赤の王子がサラを助けに奔走する。サラは青い空を目指して挑む。暴君の檻に入れられたさえずりは、誰が手に救い出されるのか。物語は語られる…… さえずりは天の歌声と称され、奇跡の物語と語られるまでに。 全42話執筆済 誤字脱字をチェックしながら毎日更新予定です。 エブリスタにも載せています。

更新:2017/4/21

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作:桃巴

瑠璃の女神一凛

継母は言った「そんなもの要らないわ! 滅びる国の王位など!」と。王冠は転がり少女の足元に。幼子を抱き継母は去っていく。そうして、少女は残された……たった独り敵の攻めいる城に。 *** 少女の守り人は遠く離れた城を見つめる。その城から伝鳥の飛翔をとらえる。伝鳥は将の腕に飛来した。『妃塔、本陣。王間にて戴冠式を行う』伝文を読んだ守り人は、再度城を見つめる。その心に宿る想いは、離れた一年前と変わらない。 *** 引き裂かれた少女と守り人が再び想いを寄せあうまでの軌跡、いや奇跡の物語です。そして、たった独り城に残された少女が敵を手中におさめる奇跡の物語……少女が女王となるまでの物語なのです。 【瑠璃の女神一凛】開幕  彼女の名は別にある。だが、その名を口にする者はほとんどいない。  彼女のことを 知る 人間ならば  彼女を 見た 人間ならば  その奇跡を称え皆口を揃えて言うのだ『イチリン』と。絶対無二の存在であるその名、唯一の『一』そして、この物語を知ればわかるだろう、『凛』の意味も…… *** エブリスタにも載せています。

更新:2017/5/22

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